生活習慣?

食事と生活習慣vs死亡・血管死亡
<Diet and Lifestyle vs Death and Vascular Disease>
地中海スタイルの食事と疾病アウトカムの相関を2つのJAMAジャーナルで紹介。
Knoopsら(http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/292/12/1433?view=abstractfp=1433&vol=292&lookupType=volpage)は、健康老人への地中海食の関与、適度な運動、適度なアルコール飲料、非喫煙の健康成人への死亡率への寄与に関して検討。
著者らは、少なくとも要因の2つが有る場合、1つ以下の場合に比べ、全原因、原因特異的死亡率が有意に減少することを示した。
2つめの文献、Espositoら(http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/292/12/1440?view=abstractfp=1440&vol=292&lookupType=volpage) は、メタボリック症候群にランダムに地中海スタイル食あるいは思慮深く考えられた同様の主要栄養素成分と健康的と名のっている食事選択の方法を割り当てた。地中海スタイル食群の患者は体重減少、血栓関連炎症性マーカー値の減少、メタボリック症候群の頻度の減少が見られた。

エディトリアルで、RimmとStampfer(http://jama.ama-assn.org/cgi/content/extract/292/12/1490?view=extractfp=1490&vol=292&lookupType=volpage)は、健康的なライフスタイル維持によるプライマリな疾患予防についての検討の必要性について蓄積するエビデンスとまだ累積する疑問点について議論。



<身体運動と認知機能>
<Physical Activity and Cognitive Function>
エビデンスでは身体活動が痴呆や認知機能低下のリスクを軽減する可能性を示唆する、しかし、必要な運動強度に関しては知られてない。2つの前向きコホート研究がこの質問に対する回答としてJAMAに述べられている。
1つめは、Abbottら(http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/292/12/1447?view=abstractfp=1447&vol=292&lookupType=volpage)が身体運動可能な平均71-93歳の歩行と痴呆のリスクに関する相関の分析。男性において1日歩行1マイル以下は2マイル以上に比べ痴呆進展リスクが少ない。
Weuveら(http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/292/12/1454?view=abstractfp=1454&vol=292&lookupType=volpage)は、70-81歳女性の認知機能と長期的定期的身体運動の相関を分析。8-15年フォローアップの間の身体運動が高いほど認知機能が改善し、減少率も少ない。


<運動テストと全般的な心血管リスク予後推定死亡率>
Exercise Testing and Global CVD Risk Predict Mortality
Aktasらは、2つのCVDリスク・スコアである、Framingham Risk ScoreとEuropean Systematic Coronary Risk Evaluation (SCORE:http://www.escardio.org/NR/rdonlyres/E5DD427D-50E2-4F1F-B287-C9F24242C29A/0/SCORE_EHJ_2003.pdf)と運動試験が、自覚症状無しの対象者での前向きコホート研究の有用性を検討し、全死亡死亡率の推定に役立つかを検討。
結果、EuropeanSCREがよりFramingham Risk Scoreより予後推定リスクとしてよりよい指標であった。運動試験異常と組み合わせで、European SCOREは臨床的に死亡リスク推定に役立つ。
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/292/12/1462?view=abstractfp=1462&vol=292&lookupType=volpage


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ライフスタイルと食事はすこし分けて表現しているようです。生活習慣病というのはあまりいろんな事柄を具有しすぎてあまりいい言葉ではないと、日本内科学会重鎮に大変申訳ないのですが・・

それが一人歩きして、疾病はすべて個人の責任であり、悪い“生活習慣”のせいだ。ゆえに生活習慣に起因する疾病は、自己負担をなくしても或いは多額にしても、患者のせいだし、文句はあるまいといコスト・カッティングだけしか考えてないう財務省お役人さんたちのお考えがあるのではないかと邪推・・・

by internalmedicine | 2004-09-22 15:02 | 動脈硬化/循環器  

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