ケトアシドーシスは2型糖尿病でも十分生じる・・・そして・・・増加している



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糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)のエピソードは、1型糖尿病と2型糖尿病を区別する特徴と考えられてきた。
“NIDDM患者はケトーシス傾向がない”そして、“多くの2型糖尿病患者(以前のNIDDMと呼ばれたものに相当)の多くはケトアシドーシス予防のためインスリンを必要としない”など・・・
DKAの臨床的・生化学的特徴は以前記載されているが、多くは1型糖尿病である。最近ではDKAが2型糖尿病で生じるという報告が多くなされ、1型糖尿病の患者のなかで、1B型、1.5型、Flatbush糖尿病と呼ばれる場合も、DKAを示すことがあり、古典的自己免疫1型糖尿病と関連する他の特徴がある場合がある。
最近の疫学的研究で、DKAの入院はここ20年で増加しており、2型糖尿病増加によるものであることも考えられ、DKAの頻度の変化と2型糖尿病患者のDKAの頻度の増加も関係しているかもしれない。
DKAの頻度の変化と2型糖尿病のDKAの頻度が増加に伴い、EDでのDKAの臨床的、検査上の変化について検討



Diabetic Ketoacidosis in Type 1 and Type 2 Diabetes Mellitus
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/full/164/17/1925
Arch Intern Med. 2004;164:1925-1931.
中等症から重症DKA138名の患者のうち、30名が2型糖尿病。ラテン系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人からの2型糖尿病に比率が多い(P<0.001)。
35の入院(19.9%)は新規診断。
全入院の85%薬物治療中断によるもの、2型糖尿病の69.2%が治療中断によるものであった。
感染症は1型糖尿病で21.6%、2型糖尿病で48.4%。
1型糖尿病の21%、2型糖尿病の70%がBMIが27以上。
1型糖尿病がよりアシドーシス (arterial pH, 7.21 ± 0.12 vs 7.27 ± 0.08; P<.001)、2型糖尿病がケトンなしになるまで、1型より長期間治療にかかる(36.0 ± 11.6 vs 28.9 ± 8.9 hours, P = .01) 。

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“1+2型”糖尿病というのもあるらしい・・・
http://allabout.co.jp/health/diabetes/closeup/CU20030630A/index.htm?FM=cukj&GS=diabetes

by internalmedicine | 2004-09-28 12:05 | 動脈硬化/循環器  

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