コエンザイムQ10サプリメント:高血圧・スタチンによる筋症治療のレビュー

Coenzyme Q10: A therapy for hypertension and statin-induced myalgia?
Cleveland Clinic Journal of Medicine July 2010 vol. 77 7 435-442

特定の臨床トライアルにて、コエンザイムQ10サプリメントが拡張期・収縮期血圧を有意に下げるという報告がある。
(対象数が少なく、コホートなどエビデンスレベルが低すぎる・・・http://www.ccjm.org/content/77/7/435/T1.expansion.html

スタチンはコエンザイムQ10血中濃度を低下させ、そのため、コエンザイムQ10欠乏とスタチン関連筋症を結びつける研究者たちもいる。しかし、筋症治療にコエンザイムQ10が有用かはエビデンス追加が必要。

コエンザイムQ10サプリメントは比較的安全
多くの臨床的報告でも治療中止必要な有意な副事象の報告はみられない
胃腸副作用には、腹部不快、吐気、嘔吐、下痢、食思不振を含む
アレルギー性皮疹・頭痛も報告されている。




医療用は、主に心不全治療薬として認可されている。nutrientに多い出版バイアスのため、信用がないのではないか・・・と私は思っているが、あるところ(http://www.lef.org/magazine/mag2008/feb2008_Alleviating-Congestive-Heart-Failure-With-Coenzyme-Q10_01.htm)では、”anti-nutrient bias”なのか、また、この薬剤の至適血中濃度量について不明のままのためか、ルーチン治療として用いられていない。

by internalmedicine | 2010-08-10 10:37 | 動脈硬化/循環器  

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