家庭内血圧測定・持続血圧測定masked hypertension

masked hypertensionは“Masked Hypertension”・・・本来は持続血圧計を用いた概念であったはずだが、家庭内血圧測定でもこの言葉を使うようになったようだ・・・なんていい加減な連中が多いのだろう・・・と、憤慨

まぁ、大きな流れに逆らわない、こそくな人生を過ごしたいという私・・・これからは、家庭内血圧測定の場合も、このmasked hypertensionを呼ぶことにしよう。



Masked Hypertension: Evaluation, Prognosis, and Treatment
American Journal of Hypertension 23, 941-948 (September 2010) | doi:10.1038/ajh.2010.112



自己測定血圧と携帯型血圧が広く用いられるようになり、MHがひろく認識されるようになった。
様々な要因があり、喫煙、アルコール、運動、仕事、心理学的ストレスが、臨床的に遭遇する場所以外で、血圧を上昇させる。
多くの研究で、標的臓器障害を、MHと持続高血圧と比較したところ、真に正常者にくらべ増加することが示されている。
MH患者は、正常者に対して1.5-3倍の主要CVリスクを示し、リスクは持続的高血圧者と差がない

レビュー全体から見ると、主要CV疾患のリスクは、正常血圧者より、”自己測定定義のMH”で、ハザード比 2.13;95%信頼区間 1.35-3.35;P=0.001)、”24時間持続測定定義のMH”で、2.00;95%CI 1.54-2.60;P=0.001)

MHは自己測定・持続測定ともに、潜行的、予後的因子である。

MHは、この病態になりやすい人たちに対して検討すべき事項である。

降圧治療はこれをテーマにされてきているが、まだ、アウトカムベネフィットとの関連は未決である。


ABPMも保険適応となっており、この診断名の正確さは重要なはずだが・・・
24時間自由行動下血圧測定は、24時間血圧計の使用(ABPM)基準に関するガイドラインに沿って行われた場合、算定の対象となります。
(2008年4月より)

【D225-3 24時間自由行動下血圧測定】
24時間自由行動下血圧測定は、日本循環器学会、日本心臓病学会及び日本高血圧学会の承認を得た「24時間血圧計の使用(ABPM)基準」に関するガイドライン」に沿って行われた場合に、1月に1回に限り算定する。
厚生労働省 2008年3月5日発表


”職場高血圧”・”仮面高血圧”・”逆白衣高血圧”なんて造語で はしゃいでた人たちのおかげで、すっかり、臨床の現場に混乱が生じた

by internalmedicine | 2010-08-26 09:43 | 動脈硬化/循環器  

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