人工呼吸が長くなると、横隔膜の微小構造・機能から筋力低下まで障害が進む

人工呼吸期間中の横隔膜への影響は、微小構造・機能まで及ぶようだ。いづれも機能低下につながる。

Rapidly Progressive Diaphragmatic Weakness and Injury during Mechanical Ventilation in Humans
Jaber et al. Am. J. Respir. Crit. Care Med..2010; 0: 201004-0670OCv1

【序文】 横隔膜機能は人工呼吸離脱成功能力の大きな決定因子である。奇異的だが、人工呼吸自体が横隔膜力を動物では急激に低下させる。しかし、時間経過とmechanistic basisについての情報はヒト限定だとかなり少ない。
【目的】 1)前向きの人工呼吸中横隔膜筋力低下時間的進展 2)人工呼吸器感と横隔膜障害・萎縮の相関、関連する候補細胞系の状況

【方法】 横隔膜神経刺激横隔膜によるAirway occlusion pressure (TwPtr)を短期間 (0.5 hour; n=6) 、長期間 (>5 days; n=6) 人工呼吸群で測定
胸部手術間の横隔膜生検(2-3時間の人工呼吸; n=10)、脳死臓器ドナーから横隔膜標本(24-249時間;n=15)を微小構造損傷、萎縮、proteolysis-related proteins (ubiquitin, NF-kB, and calpains)の発現評価

【結果】TwPtr は人工呼吸にて徐々に低下し、6日間で平均32±6%減少、横断筋繊維面積減少(1904±220 versus 3100±329 µm2) (26.2±4.8 versus 4.7±0.6 % area)、fubiquitinated protein増加(+19%)、p65 NF-B発現増加 (+77%)、カルシウム活性化プロテアーゼ calpain-1, -2, -3 著増 (+104%, +432%, +266%)

【結論】横隔膜筋力低下、損傷、萎縮が人工呼吸中重篤な患者で進行し、有意にこれは人工呼吸期間と相関する。


この研究の対象は手術と脳死臓器ドナー患者である。故に、疾患肺と同等のことがいえるのか?
また、pressure supportなどの自発呼吸を生かした呼吸モードの場合はどうなのか・・・新たなる疑問やテーマが浮かんでくる。


NPPVも使用し、それでも疲弊したCOPD患者さんたちに、人工呼吸管理・・・倫理的なのだろうか?

by internalmedicine | 2010-09-04 10:44 | 呼吸器系  

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