小児蘇生補液:医療ソース不足の地域でのコロイド・クリスタロイド論争
2010年 09月 17日
感染症小児蘇生時の補液選択の現行エビデンスは乏しい
マラリア・デングの重要なエビデンスがあり、コロイドは理論的にベネフィットを有する可能性があるが、敗血症蘇生の研究はなされてない。
以上のごとく、明確なリコメンデーションを与えるにはエビデンス不足
蘇生補液選択に関して、ヒト・アルブミンのようなコロイドは、生理食塩水のような安いクリスタロイドに比べて一般的に良好そうだが、明確なコンセンサスは未だない。
Choice of fluids for resuscitation in children with severe infection and shock: systematic review
BMJ 2010; 341:c4416 doi: 10.1136/bmj.c4416 (Published 2 September 2010)
Cite this as: BMJ 2010; 341:c4416
9つのトライアル検討
すべては、医療リソース不足の状況下のマラリア・デング出血性ショックによる患者を主に含むトライアル
プライマリアウトカムとして死亡率であったトライアル無し
6例中3例で、クリスタルよりコロイドが良好という一人以上の死亡報告をもつ (Peto fixed odds ratio は0.18 (95%信頼区間0.02 to 1.42) から 0.48 (0.06 to 3.99)の範囲)
死亡率に関する報告は方法論的限界があり、これらの所見の解釈には注意をはらうべき。
研究のheterogeousさは計算せず、出版バイアスの限界がある。
・・・ARDS・ステロイド論争とともに、クリスタロイド・コロイド論争は・・・続きそう
話は横道にそれるが・・・
私自身、デング熱にニアミスしたばかり
今後、"帰国後発症するいわゆる輸入感染症"に出くわす危険性はどの臨床家にあるということだろう。
デング・マップ
http://www.healthmap.org/dengue/index.php
http://www.wpro.who.int/health_topics/dengue/
by internalmedicine | 2010-09-17 08:51 | 集中・救急医療