AASLD:ビタミンEは子供のNASHを組織的変化は改善、ALT持続改善は望めず

Lavineらの報告:ビタミンEもメトホルミンも、持続的ALT減少に関して優越性を見いだせなかったが、ビタミンEは組織学的な改善をNASH児でみとめたというもの

同様の結果が、PIVENS トライアルで報告されていた。
非アルコール性脂肪肝炎にビタミンE有効:病理組織学的改善も証明 2010-04-29

好意的に見れば、ALTレベルは改善しないが、ビタミンEは子供のNASHを改善するかもしれないという話に。

AASLD: Vitamin E Resolves NASH
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AASLD/23104
Lavine JE, et al "Vitamin E, metformin, or placebo treatment of nonalcoholic fatty liver disease in children" AASLD 2010; Abstract 110.



200名近い子供の96週のランダム化トライアルで、ALT低下をプライマリアウトカムとしたトライアル。




この事例は、組織にてNAFLDと確認され、ALT 60を超えたケースで、1日メトホルミン 500mg×2回投与
、ビタミンE週2回、  プラセボの 割り付け

平均年齢13歳で、男児が80%で主、ヒスパニック系が多く、BMI 33-34

標準治療(ライフスタイル修正を含む)

定期的受診小児96週トライアルで、24週追加フォロー

プライマリエンドポイントであるALT減少は3群とも見られ,標準治療に効果があったようだ。
一番低下が激しかったのは、ビタミンE群であり、ビタミンEによる達成率 25.9%、メトフォルミン 15.8%、プラセボ 17.2%であったが、トライアル終了時はこの差は縮まった。

この結果は寄与因子:年齢、性別、民族補正後も変わらず

セカンダリアウトカムである組織検査ではプラセボ比較で、ビタミンEとメトホルミンが幹細胞バルーニングを改善した (44% and 44% versus 21%, P=0.006)

しかし、ビタミンEのみがNAFLDスコアを改善(P=0.02)

NASH例だけのサブセット解析で、ビタミンE群では、96週後、肝生検組織NASH所見はプラセボ比較で改善増加 (58% versus 28% P=0.006)

ビタミンEもメトフォルミンも肝線維化、 lobular formation、門脈炎症スコアに影響与えず

体重は横断的に同等の変化であり、平均 13kg28.6 lbs)増加、運動・食事療法は行われていた。



by internalmedicine | 2010-11-05 08:48 | 糖尿病・肥満  

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