アルツハイマー病:βアミロイド過剰産生より除去メカニズムが重要かもしれない

アルツハイマー病の根本原因は、アミロイドβ蛋白過剰産生というより、排除・除去メカニズムの問題かもしれないという、ワシントン大学の Randall J. Bateman, MDの報告

Decreased Clearance of CNS β-Amyloid in Alzheimer’s Disease
Science DOI: 10.1126/science.1197623

12名の60歳以降早期アルツハイマー病で他の疾患なしと診断された対象 (Clinical Dementia Rating scores of 0.5 to 1.0) 、年齢77歳平均
2名がapolipoprotein E ε4alleleで4名がheterozygous・ε-3 allele
対照群が若干若く71歳平均で、 apo E ε-4 homozygousは持たず6名がheterzygosity
腰椎穿刺間、アミロイドβとattachする放射線ラベルされた13C-leucine注射注入を受け、CSFと血液サンプルを36時間採取する
アミロイドβ産生率・クリアランス率を放射線ラベル・非ラベルのそれぞれ、連続試料から計測

産生相のラベルされたアミロイドβ増加、クリアランス相のラベルされたアミロイドβの消失はアミロイドβの中枢神経系からの産生・クリアランスを示す。

産生率は、AB-42 、AB-40蛋白は、患者群で 1時間あたり 6.6%、6.8%、対照群で 6.7%、6.8%
クリアランス率は、明確な違いがあり、AB-42に関し、1時間あたり、患者群では 5.3%、対照群は 7.6%P=0.03)。AB-40でも同様の結果で、5.2%、7.0% (P=0.01)。

この知見により、アルツハイマー病に関し、アミロイドβの代謝障害が対照群との違いであり、Batemanらは、小サンプルであり、別の解釈もできるかもしれないという限界も記述しているが、治療法につながる知見となるかもしれない

by internalmedicine | 2010-12-11 08:56 | 精神・認知  

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