タミフルは耐性できやすい

Frequency of Drug-resistant Viruses and Virus Shedding in Pediatric Influenza Patients Treated With Neuraminidase Inhibitors
Clin Infect Dis. (2011) doi: 10.1093/cid/ciq183 First published online: January 19, 2011

以下の新聞に解説あり
タミフルは耐性できやすい 薬の性質か、研究報告

 インフルエンザの治療薬として広く使われているタミフルは、別タイプの治療薬リレンザに比べ、子どもの患者では薬が効かない耐性ウイルスができやすいとの研究結果を、東京大医科学研究所の河岡義裕教授と、けいゆう病院(横浜市)の小児科医、菅谷憲夫参事らが米医学誌電子版に20日、発表した。

 タミフルに耐性があるインフルエンザウイルスの検出例は多い一方で、リレンザではまれ。タミフルの使用量の方が多いのが原因の可能性もあったが、今回の研究結果は、耐性ウイルスのできやすさは薬の性質の違いによる可能性が大きいことを示した。

 河岡教授らは、2005~09年にかけ4つの病院で、タミフルとリレンザを投与された72人を、一定の条件のもとで比較調査した。
2011/01/20 15:19 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011012001000421.html



でも、世の中は、ラピアクタとイナビル・・・これらの薬剤の交差耐性の状況はどうなのだろうか?

イナビルの添付文書

インフルエンザウイルス感染症に対するラニナミビルオクタン酸エステル水和物の効果を検討した国内臨床試験8試験(国際共同試験の1試験含む)で、 1,917例の患者から分離したインフルエンザウイルス株において活性代謝物ラニナミビルに対する感受性が低下した株は認められなかった。



ラピアクタは、タミフル耐性に効果ありと、無いという報告がある(http://intmed.exblog.jp/9720860/
添付文書では
国内第II相試験及び小児等を対象とした国内第III相試験において,本剤投与前後で,本剤に対する感受性が3倍以上低下した株がA型のみ少数例に認められた 3),9)。なお,国際共同第III相試験では,これらの感受性低下株と同じ亜型で同程度の感受性を示す株に感染した患者で治療効果が確認されている 10)。また,in vitro耐性ウイルス分離試験において,類薬との交叉耐性を示す耐性株の出現が報告されているが,本剤に特有の耐性株は報告されていない 13),14)。

by internalmedicine | 2011-01-20 16:03 | インフルエンザ  

<< NHK誤報?煽動記事:迅速診断... USPSTF ガイドライン:骨... >>