中年時の喫煙でアルツハイマー病・血管性認知症リスク増加

今は昔の、”喫煙認知症予防”伝説・・・未だに、この誤った伝説が世間には残っているようだ。タバコ関連企業スポンサー研究による偏った報告によりずいぶん長い間世間は騙され続けていた。

UCSFグループの解析で、2113明の多民族人種コホート(1878-1983に登録)、1994-2008年6月までの前向き検討

中年時重度喫煙による認知症リスク増加報告

Heavy Smoking in Midlife and Long-term Risk of Alzheimer Disease and Vascular Dementia
Minna Rusanen, MD; Miia Kivipelto, MD, PhD; Charles P. Quesenberry Jr, PhD; Jufen Zhou, MS; Rachel A. Whitmer, PhD
Arch Intern Med. 2011;171(4):333-339. doi:10.1001/archinternmed.2010.393


5367名が認知症診断(アルツハイマー病 1136名、血管性認知症 416名)
平均 23年

喫煙にて、寄与因子補正後、2 packs/日を超える場合、認知症(補正ハザード比 [HR], 2.14; 95% CI, 1.65-2.78) 、アルツハイマー病(補正 HR, 2.57; 95% CI, 1.63-4.03)、 血管性認知症 (補正 HR, 2.72; 95% CI, 1.20-6.18)


ニコチン作動機序から生まれた、都市伝説・・・”喫煙がアルツハイマー病予防に役立つ”はどこに行ってしまったのだろう?

製造メーカー・スポンサーによる出版バイアスによる恣意的側面は明らかになっている。
 ↓
Cigarette Smoking is a Risk Factor for Alzheimer's Disease: An Analysis Controlling for Tobacco Industry Affiliation
Journal of Alzheimer's Disease 1875-8908

このへんの恣意的研究報告の問題点は、今後の公衆衛生ためにも、明らかにする必要があると思うのだが・・・内外政府ともやる気はないようだ・・・この誤った情報により禁煙阻害となった部分もあるだろうに・・・

by internalmedicine | 2011-03-01 10:41 | 喫煙禁煙  

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