EuroPRevent 2011 : 心筋梗塞後運動訓練は早いほど良い?

EuroPRevent meeting

Alexander AM, et al "A meta-analysis of the effects of exercise training on left ventricular remodeling following myocardial infarction: Start early and go longer for greatest exercise benefits on mortality" EuroPRevent 2011; Abstract P111.

http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/EuroPRevent/25980

心筋梗塞後の運動開始が1週間遅れれば、左室リモデリングへの効果としては追加1ヶ月分のトレーニング必要となると、Myers らは、European Society of Cardiology's EuroPRevent meetingで報告。
そして、早期開始からもたらされる有害性のエビデンスを認めなかったと述べている。


心臓リハビリテーション開始に関して、6週間待ってからという意見もあり、これは心臓の瘢痕の広がりから考えて治癒を第一に考えるべきで有るという理由である。
現実には、 "direct referral"という戦略より、出来るだけ、早期の運動回復が望ましい。
Myersのグループは、心筋梗塞後3ヶ月の臨床的安定な患者群対象の、12の運動トレーニング介入のRCTを駆出率、心室容積の報告を行い、647名のトライアル登録平均駆出率44%、平均年齢55歳のベースライン
介入は好気的トレーニング、代表的にはサイクリング、ウォーキングで、最大酸素摂取量 60-80%の運動耐容能程度の運動、心拍程度を20-180分/セッションで行う。
左室機能のインパクトは心筋梗塞からリハビリテーションの期間が短いほど大きい。
5.5~4週の遅れのひととくらべて6週を越えて待機させる場合、駆出率へのeffect sizeは-0.6~0.1と非有意で、3.5週以下のdelayの場合有意な差となる。
1.0を越える大きなeffect sizeは、1週間未満の場合の研究で認められる。
5.4-0.9の開始時期研究で最も長期delayの6ヶ月までの研究からは1ヶ月を越えると同様な傾向が見られた。
2つの要素が関与していると記載。早期開始と長期間トレーニング期間がよりよい拡張終末・収縮期終末容積減少に関与しているのではないかと記載。これらの結果は感度分析、4つの研究での早期開始研究でも維持。
クリアな結果なのだが、Perkらは、remodeling修復効果の影響が臨床的に明らかになってないと警告している。Meyersは、確かに明らかではないが、駆出率は3%改善し、統計学的にpooled analysisで明らかと述べている。そして、4週未満での開始研究はまだ少ないとも記載。


Reverse remodeling in heart failure – fact or fiction?
Eur Heart J Suppl (2004) 6 (suppl D): D66-D78.





上記報告は、あくまでメタアナリシスに伴う一報告です。臨床事例での直截な適応を意味しません。

by internalmedicine | 2011-04-18 09:03 | 動脈硬化/循環器  

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