COPDにおける吸入抗コリン剤による急性排尿障害
2011年 05月 24日
Anne Stephenson et. al.
Arch Intern Med. 2011;171(10):914-920. doi:10.1001/archinternmed.2011.170
吸入抗コリン薬は広くCOPD治療に使われているが、この全身性の影響はあまり検討されてない。
カナダ・オンタリオの行政医療データをリンクさせて、この住民ベースのnested case-control studyにより、COPD抗コリン剤処方高齢者の急性排尿障害( acute urinary retention (AUR) )のリスクを決定。
COPD 566,073名のうち、Stephensonらは、AUR11238症例同定。
マッチ化させた対照と比較し、吸入抗コリン剤新規使用者では、他共役要素補正後、非使用者比較で、40%を越えるAUR発症オッズ。
前立腺肥大では特にリスク増加 (odds ratio, 1.81; 95% 信頼区間, 1.46-2.24)
短期・長期吸入抗コリン剤処方時、男性では有意に非使用者比較でのAUR発症オッズ。リスク増加 (odds ratio, 2.69; 95% 信頼区間, 1.93-3.76)
女性のリスクは統計的に有意でなかった。
添付文書にもスピリーバの排尿障害は、消化運動、口腔内乾燥、緑内障等とともに記載されている。
”心血管死、心筋梗塞、卒中リスク増加”への疑念
Singh S, Loke YK, Furberg CD. Inhaled anticholinergics and risk of major adverse cardiovascular events in patients with chronic obstructive pulmonary disease. A systematic review and meta-analysis. JAMA 2008; 300:1439-1450.
http://jama.ama-assn.org/content/300/12/1439.full.pdf
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これが一番問題だと思うのだが・・・
by internalmedicine | 2011-05-24 08:51 | 呼吸器系