保険者検診・保健指導検討会:垣間見える低レベルな議論

やはりというか、なんというか、予想通りの展開の、”厚労省・保険者による健診・保健指導等に関する検討会”。客観的データに基づく議論じゃなくて、地位を利用した恫喝と断言、”現実不可能”というだけで矛盾する基準値をごり押しするやり方。

どっちにしろ、結論ありきの委員会だろうから・・・内容なんてどうでもいいのだろうが・・・

一部の専門家が”内臓脂肪面積の特定は臨床的に意義があると多くの論文でも証明されている”としても、果たしてどの程度の意義があるのか、住民レベルでエビデンスを定量的に示し、コスト効果など示した上で意義があると言うべきである。具体的効果を口に出さず、地位を利用した恫喝と断言ですまそうとするやりかたは通用しないはず。そもそも、腹囲基準値設定の根拠となった報告に関し、仮想母集団とサンプル採取法に口を濁すやりかたじゃ、基準設定に透明性・公平性・科学性があるとは言えない!
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保坂シゲリ委員(日本医師会常任理事)は「内臓脂肪の面積を基準に用いることに本当に意味があるのか。この場で腹囲の基準についてどうするかを議論するのは筋違いでもう少し科学的に検討した上でこの場に持ってくるべきではないか」と疑問を呈した。中尾一和参考人(日本肥満学会理事長)は「男性と女性では脂肪が蓄積する場所は異なるが、内臓脂肪面積の特定は臨床的に意義があると多くの論文でも証明されている」と話した。横尾俊彦委員(全国後期高齢者医療広域連合協議会会長)は「科学的な検証は別の場所で行い、その上で議論の俎上にのせるべき」とし、事務局も実際の基準について専門部局で改めて議論する考えを示した。


LDLの直説法をごり押しした連中らしい、軽薄な判断で、国際基準無視のHbA1c値表記
2012年4月から臨床や健診の実施場所でのHbA1cの表記を現行のJDS値から国際基準のNGSP値へ変更すべきという声が上がっていることについても対応を議論した。門脇孝参考人(日本糖尿病学会理事長)は「極めて現実的に考えると新旧基準値の併記型が望ましい」とした。その理由について、「保険者もこれまでのデータと変わっていると実感できる。新しい基準をメーンに運用することで国内での標準化を進めることができる」と話した。

しかし、白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は「予定しているデータ以外が入力されるとエラーとなりすべてはじかれてしまうため、私たちの特定健診のシステムは対応できない。保険者も医療機関もシステムを変えないといけなくて費用負担が大きい」と反論。貝谷伸委員(全国健康保険協会理事)も「保険者と健診機関の両サイドが技術的にできることとできないことを明らかにして議論する必要がある」と述べた。こうした費用負担と技術的な疑問点が多く上がったため、結論はつかず、議論は次回へと持ち越しとされた。


(記事提供:医療タイムス)(http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=22697 から)


ヨーロッパ糖尿病学会 「メタボは・・・・死んだ」 2010年 07月 28日
メタボ健診:線引き困難 腹囲基準根拠揺らぐ 厚労省、3万人データ解析 2010/02/10



議論と無関係に・・・メタボ検診は続く・・・


7月11日 8時13分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110711/t10014114341000.html

厚生労働省は、「メタボ検診」について、受診率の向上を図るため、サラリーマンなどの妻の受診の機会を増やす方向で制度の改正を進めることにしています。

「メタボ検診」は、内臓に脂肪がついて病気になる危険性が高まるメタボリックシンドロームの早期発見のため、3年前に始まり、40歳から74歳までの人は、加入する健康保険組合や、共済組合、国民健康保険組合などが、年に1回行う健康診断の際、「メタボ検診」として、おなかの周りなどの測定が義務づけられています。しかし、「メタボ検診」の受診率は、平成21年度で4割程度と、制度が始まってから低い水準にとどまっていて、厚生労働省は、受診率の向上を図るため検討会を設置して改善策の議論を進めています。この中では、夫に比べて妻の受診率が低い傾向にあることについて、夫が勤めていて、妻が扶養家族の場合、夫の職場や職場が指定する医療機関でしか検診を受けられないのが、要因の1つになっているとみています。このため、厚生労働省は、サラリーマンなどの妻について、地元の自治体が実施する検診も受けられるよう受診の機会を増やす方向で制度の改正を進めることにしています。

by internalmedicine | 2011-07-11 08:23 | 動脈硬化/循環器  

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