OAT後も持続完全狭窄病変へのPCIは続行という状況

2006年の大規模ランダム化対照化トライアルOccluded Artery Trial (OAT) で、persistently totally occluded infarct-related aritery(IRA)に対するPCIはno benefitであるという報告があったが、その後、それにもとづく臨床ガイドライン変更もあり、臨床の場にどのような影響があったか検討したところ、一般的には数年たっても無視の状況が続いている状況とのこと。

Coronary Intervention for Persistent Occlusion after Myocardial Infarction
Judith S. Hochman et. al.
the Occluded Artery Trial Investigators
N Engl J Med 2006; 355:2395-2407December 7, 2006

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急性心筋梗塞発症病日3-28日に於ける、OATによる影響は、OATに基づく臨床コンセンサスガイドラインを含め無視されている状況という報告

Impact of National Clinical Guideline Recommendations for Revascularization of Persistently Occluded Infarct-Related Arteries on Clinical Practice in the United States
Marc W. Deyell et. al.
Arch Intern Med. Published online July 11, 2011. doi:10.1001/archinternmed.2011.315


896の病院の28780患者数調査し、OAT発表後の閉塞病変に対するPCIの補正月例数は有意な減少観られず(odds ratio [OR], 0.997; 95% confidence interval [CI], 0.989-1.006)、ガイドライン改訂後も減少観られず (OR, 1.007; 95% CI, 0.992-1.022)

診断特性の一致した病院群では、OAT発表後有意な減少認めず (OR, 1.018; 95% CI, 0.995-1.042)、ガイドライン発表後減少傾向が見られた (OR, 0.963; 95% CI, 0.920-1.000)


メジャージャーナルといえど、発表段階では、やはりそのまんま臨床実践に導入ってのは確かに抵抗がある。ガイドライン改訂・発表で、やっぱり本当だったのかと・・・確認して、臨床実践へってのが普通なのかもしれない。
でも、ガイドラインとなのつくなかに偏ったインチキガイドラインも出現するようになった日本ではそれも信用できなくなってきているが・・・

by internalmedicine | 2011-07-16 10:19 | 動脈硬化/循環器  

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