米国では、肺炎随伴膿胸は増加傾向、死亡率も減少せず・・・ 

米国内の一定地域で肺炎随伴性膿胸発症増加の報告があり、傾向調査したもの

Emergence of parapneumonic empyema in the USA
Thorax 2011;66:663-668 doi:10.1136/thx.2010.156406

包括的に言えば、国家的には、10万人対 3.04 (1996) → 5.98 (2008)と2倍の増加 (95% CI 1.8 to 2.1
子供、18-39、40-65、65歳以上でそれぞれ IRR 1.9 (95% CI 1.4 to 2.7)、1.8 (95% CI 1.5 to 2.1)、 2.0 (95% CI 1.6 to 3.1)、1.7 (95% CI 1.5 to 2.0)

肺炎球菌性膿胸は全年齢層で安定して増加
一方、レンサ球菌性(非肺炎球菌)、ブドウ球菌性の膿胸が、1.9倍、3.3倍と増加で、これも年齢横断的に増加。
肺延髄反応強関連入院での包括死亡率は 1996年  8.0% (95% CI 6.4% to 9.5%)、2008年 7.2% (95% CI 6.3% to 8.1%)   (p=0.395).

膿胸の内、検査病原菌がリスト化されたのは37.6%で、膿胸関連黄色ブドウ球菌が、すべての年齢層でも、最も絶対数として増加しており、長期入院、入院死亡率の中で最も最悪である。



ブドウ球菌をはじめとする膿胸は、発症例増加し、さらに、死亡率もさほど減少していない。

膿胸というのは、”胸腔内洗浄”は手間がかかり、これでうまくいかないと、 empyema peelを含む手術まで必要となる。死亡率も上記ごとく、1割近くあり、呼吸器系の医者にとって、かなり厳しい疾患である。

Murray and Nadelによると、”イギリスの胸腔内ストレプトキナーゼの大規模研究によると、58%がグラム陽性菌、35%がグラム陰性菌であり、培養は好気性単独35%、単独嫌気性単独で、7%、多菌種が12%。分子生物学的解析では70/404で培養陰性、核酸増殖法などで74%まで診断可能であった。市中肺炎群では、Streptococcus intermedius-anginosus-constellatus (milleri) group (80)、 S. pneumoniae (71)、他の連鎖球菌群 (25)、 S. aureus (34) (7 methicillin-resistant Staphylococcus aureus [MRSA])、 gram-negatives (29)、 嫌気性群 (67)
院内肺炎随伴性胸水の場合は、 S. aureus (21) のうちMRSA15例”と書かれており、milleri群を含む連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、嫌気性菌が主であることがまず基礎知識として必要である。

by internalmedicine | 2011-07-23 08:58 | 呼吸器系  

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