男性喫煙者: CT定量化肺気腫診断で、肺機能低下を予測できる

Smoking
CT-quantified emphysema in male heavy smokers: association with lung function decline
Thorax 2011;66:782-787 doi:10.1136/thx.2010.145995


肺気腫と小気道病変が、肺機能異常進行性のCOPDに寄与する病理所見だが、男性現行喫煙者・喫煙経験者に於ける肺気腫の広がりtお肺機能低下の関連
肺気腫評価は、15パーセンタイル(Perc15)を用いた

被験者:2085名、平均59.8歳
ベースラインで、Perc15 は、-934.9(19.5)HU、Per15値は、FEV1低値とベースラインで相関。


線形混合モデル解析にて、Perc15は有意にフォローアップ時FEV1減少と相関 (p<0.001)

ベースラインで気道閉塞がなく、後に気道閉塞出現する被験者は、後に気道閉塞出現しないヒトに比べてPer15値低値(−934.2 (17.1) HU vs −930.2 (19.7) HU, p<0.001)


CTによる肺気腫存在診断は、その後の気道閉塞所見の予測要素となり得るかも・・・


Euroscop研究など、CT肺気腫診断とCOPD重症度の相関は、女性より男性で目立ち、性差がある(Chest. 2007 Aug;132(2):464-70. Epub 2007 Jun 15.)ことが自明となっている。

故に、上記報告も、男性喫煙者と、性別を明確にした報告。


日本での研究で、早期肺気腫診断で、stage 0 COPD検出という報告(Respirology. 2006 Mar;11(2):205-10.)があるが、その後、現行の軽症以上のCOPDの進行との証明は出来たのだろうか? 最終的には、臨床的アウトカムに関係する介入でないと意味がないのだが・・・

by internalmedicine | 2011-08-18 09:46 | 呼吸器系  

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