動脈硬化疾患既往患者では直接関連する死亡率と肥満はさほど関係がない

動脈硬化疾患既往ある患者のその後のその原因による直接の死亡率と肥満はさほど関係がない・・・いろんな解釈の仕方ができそうです。

既往がない場合は肥満と関連は確定的なのか、ちょっと心配になり、検索
http://scholar.google.com/scholar?q=obesity+mortality+cardiovascular&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=en&btnG=Search
:google scholar便利
無論、独立した危険因子であることは・・・間違いない   が・・・・

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Body Mass Index and Total and Cardiovascular Mortality in Men With a History of Cardiovascular Disease
Arch Intern Med. 2004;164:2326-2332.
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/164/21/2326?etoc
【背景】
一般住民におけるBMIと動脈硬化疾患と関連する心血管・総死亡率の相関を同定するようデザインされた研究が以前からあったが、相反する結果が出されている。
心筋梗塞、卒中の病歴を報告されている男性のリスクをthe Physicians’ Health Study enrollment cohortを利用して検討(ガンの病歴除外!)
【方法】原因特異的死亡:平均5年フォローアップ5010名の男性
4つのカテゴリー:<22.0, 22.0-24.9 [referent], 25.0-27.9, and ≥28.0に分類
【結果】
BMI 22.0-24.9の男性との比較、年齢補正
≥28: 1.04 (95% CI, 0.84-1.28)

BMI 22.0-24.9の男性と比較
≥28: 1.11 (95% confidence interval [CI], 0.91-1.36)


肥満の生物学的メディエーター(高血圧、高脂血症、糖尿病などの有無)を含まないモデルではRR 1.04(95%CI 0.84-1.28)

上記メディエーターを含むモデルではRR 1.06 (95% CI, 0.78-1.44)


心血管死亡率RRは類似:1.07 (95% CI, 0.85-1.35), 1.01 (95% CI, 0.79-1.29), and 1.01 (95% CI, 0.71-1.43), respectively.

BMI22.0未満では死亡率増加と心血管死亡率のリスク軽度増加の相関が見られた。


【結論】この所見は冠動脈疾患の既往のある場合は、BMI増加が総死亡率・心血管死亡率と強い相関があうのではない。
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インフラマトリー症候群示唆か?
http://intmed.exblog.jp/m2004-10-01#1245770

最近の“糖尿病患者では、高血圧、LDLコレステロール、高血糖、あるいはその組み合わせと比較したところ、3つのリスク要因のコントロールを悪くする・・・故に糖尿病患者では体重コントロールが大事”(http://www.healthday.com/view.cfm?id=522200
など、この肥満とCVDリスク全般・・・整理が必要かも・・・と、思うのでありました。

by internalmedicine | 2004-11-23 09:13 | 動脈硬化/循環器  

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