パーキンソン病治療に抗結核薬の可能性が出てきた(試験管内のお話)

"Chemistry and Biology"という雑誌にカリフォルニア大学の研究者たちが試験管内の結果、パーキンソン病に対する抗生物質であるリファンピシン治療の可能性を見いだした。
リファンピシンがfibril形成を防ぐ可能性をマウスや細胞培養で研究中
http://health.yahoo.com/search/healthnews?lb=s&p=id%3A65963


黒質のドーパミン系ニューロンにあるα-synucleinの凝集はパーキンソン病の病態にcriticalなステップである。リファンピシンがα-synuclein線維化を抑制、濃度依存性にすでに存在する膠原線維を脱凝集化させた。
サイズ除外クロマトグラフィーデータでは、リファンピシン安定化α-synucleinはモノマーとしても可溶性オリゴマーは部分的折り畳み構造を含んで存在することを示唆する。繊維化・繊維の脱凝集を抑制するもっとも高い活性種はrifampicinの過酸化産物であり、過酸化状況下の実験で確認された。
この結果でリファンピシンを介する“α-synuclein fibrillation”と“disaggregation of fibrils”がモノマーあるいは可溶性オリゴマーとして安定化した形で存在させる可能性がある。将来的にパーキンソン病の治療に使われる可能性が出てきた
http://www.chembiol.com/content/article/abstract?uid=PIIS1074552104003047
Chemistry and Biology, Vol 11, 1513-1521, November 2004


抗生物質外のpleiotropic effectですね・・・ただし、リファンピシン自体結構副作用があるので、用量設定の問題、と、NNT/NNHの問題が大ありのはず

#閲覧急激減少のなか、また減らしそうなマニアックな論文紹介でした

by internalmedicine | 2004-12-01 09:31 | 運動系  

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