心房細動の時はポケットの中の薬剤を・・・という方法




直近の心房細動の外来での治療にポケットの中の薬剤を という方法( "pill-in-the-pocket" approach )

タンボコールかプロノンかをポケットに!

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Outpatient Treatment of Recent-Onset Atrial Fibrillation with the "Pill-in-the-Pocket" Approach
http://content.nejm.org/cgi/content/short/351/23/2384
NEJM Volume 351:2384-2391 December 2, 2004 Number 23
15±5 ヶ月フォローアップ、165名(79%)で618回の不整脈エピソード
症状発症後569回(92回)は36±93分

治療成功は534回(94%)、症状改善まで113±84分

再発経験165名の患者のうち、139名の患者(84%)で薬剤は有効。

副作用は12名(7%)で1回以上報告、うち心室レートの早い心房粗動が1例で、他11例は非心臓性合併症。。


ER受診数が有意に減少(P<0.001)
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対象者と投与法を抜き書き
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【対象者】
18-75歳、48時間以内にと心電図で確認されている患者で、平均心拍70/分 以上、収縮期血圧100mmHg以上の対象者。血行動態として認容性がある状態(呼吸困難、前失神状態や失神のないこと)での突然の発作で、少なくとも12回の心房細動エピソード以下で少なくとも1回1年以内にある場合で、不整脈以外の心臓の症状のない場合

flecainide 300mg(70kg以上なら)、他は200mg
or ←ここ注意、サマリーをボーと読むと併用のごとく間違える
propafenone 600mg(70Kg以上なら)、他は450mg
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実際には使われている方法ですよね。
http://www.jhf.or.jp/opinion/db/db2/1/1104.html








事例検討
http://content.nejm.org/cgi/content/full/351/23/2408

77歳女性で、高血圧既往、metoprolol治療中、症状無し。
脈不整有り、心電図にて平均75/分心拍の心房細動あり
不整脈・冠動脈疾患・血管疾患・糖尿病・アルコール常習・一過性虚血発作・卒中の既往無し、トレッドミル不可能ではない

推奨:
無症候性で複数月の存在(トレッドミルモニターにて心拍測定にて示唆される所見)
評価は、心電図、心エコー、胸部レントゲン、血中サイロトロピン値の測定を含まなければならない。
ランダムトライアルのデータから、除細動、洞性調律維持を目的とした戦略は必ずしも予後を改善を示さないし、症状がないなら症状を改善させる戦略があるはずがない。
著者としては、レートコントロール治療が優先されるべき

by internalmedicine | 2004-12-02 11:19 | 動脈硬化/循環器  

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