どちらが卵?鶏?小気道vs肺胞 COPD:気腫性破壊出現より前に小気道の狭窄・消失がみられる・・・

鶏が先か、卵が先か? ;小気道が先か、肺胞が先か?

COPDの進展について、“MDCTで、2.0-2.5mmの気道測定し、小気道の狭小化、消失にて末梢気道抵抗増加を説明出来る”ことが判明し、末梢気道病変が先で、肺胞が後ということで片付きそう・・・

1984年の" Division of Lung Diseases at the National Heart, Lung, and Blood Institute funded a workshop”で、肺気腫の定義を “a condition of the lung characterized by abnormal, permanent enlargement of airspaces distal to the terminal bronchiole, accompanied by the destruction of their walls, and without obvious fibrosis.”とした。

今回のNEJMにて、McDonoughらは、肺気腫+COPD患者では終末細気管支の広汎な気道閉塞がみられるという報告がなされた。

肺気腫ということばを聞くとき、多くの人は、肺胞破壊が思い浮かぶだろう。しかし、COPDは、終末細気管支の狭窄、ほとんどの喪失がある状態だが、終末肺実質の破壊の量は少ないという状況を描出している。

COPDの病態は、終末細気管支病変が主体で、気腫性破壊は病期が進んでからのもの・・・という話に。


Small-Airway Obstruction and Emphysema in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
John E. McDonough et. al.
N Engl J Med 2011; 365:1567-1575October 27, 2011
COPDサンプルでのMDCTにて、対照サンプル比較で、2.0-2.5mm径の気道数は、GOLD 病期1 (P=0.001)、病期2 (P=0.02)、病期3、4 (P<0.001)で減少。

切除肺MicroCT検討: GOLD病期4患者切除横断標本終末細気管支領域において、総数 81-99.7%減少、終末細気管支数は72-89%減少 (P<0.001)。
終末細気管支数・気腫性病変分布レベルdimensionでは、終末細気管支の狭窄・消失が、気腫性破壊に先行している(P<0.001)。
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結論:気腫性破壊の出現前に存在する、小気道の狭窄・破壊が、COPD末梢気道抵抗増加の原因ということになる。



下気道抵抗分布直接測定により、COPD患者において、直径2mm未満の小気道が主な閉塞部位であることが判明している(Hogg JC, Macklem PT, Thurlbeck WM. Site and nature of airway obstruction in chronic obstructive lung disease. N Engl J Med 1968;278:1355-1360, Van Brabandt H, Cauberghs M, Verbeken E, Moerman P, Lauweryns JM, Van de Woestijne KP. Partitioning of pulmonary impedance in excised human and canine lungs. J Appl Physiol 1983;55:1733-1742, Yanai M, Sekizawa K, Ohrui T, Sasaki H, Takishima T. Site of airway obstruction in pulmonary disease: direct measurement of intrabronchial pressure. J Appl Physiol 1992;72:1016-1023)。
管腔内気道抵抗は4-5乗のレベルまで気道径減少とともに増加し、気道径と逆相関する。
このレベルの気道の半数が消失しても、平行配列のため、総末梢気道抵抗はわずか2倍な
末梢気道抵抗の増加は4-40の倍数で増加する。

しかし、全般的な気道消失より気道狭窄が主体というのが普通の説明。

MD-CTにて小気道の数・次元そして気腫性破壊を測定。空間解像度が0.6-1.0mmとなっている。さらにmicroCTだと空間解像度が16.24μmまで増加している。


形態的研究が主体だが、これがまた、機能的研究からみるとどうなのだろう?また、持続型抗コリン剤やβ刺激剤などの治療上のニュアンスが変わってくるか・・・なんだか、しばらく、議論が続きそう・・・


NEJMの表紙の要約・・・内容と合ってない!

by internalmedicine | 2011-10-27 09:25 | 呼吸器系  

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