潜在性結核感染治療:リファペンチン+INH3ヶ月観察下治療 vs INH単独少量9ヶ月自己管理 

関節リウマチに対する生物学的製剤などのため潜在性結核感染の取り扱いに注目が集まってきた。

Three Months of Rifapentine and Isoniazid for Latent Tuberculosis Infection
the TB Trials Consortium PREVENT TB Study Team
N Engl J Med 2011; 365:2155-2166December 8, 2011

潜在性結核感染(latent Mycobacterium tuberculosis infection)は結核コントロール・撲滅のため重要なコンポーネント
現行のレジメンはイソニアジド単剤9ヶ月だが、毒性・治療完遂率の低さに問題がある。

3ヶ月間のrifpentine(900mg)+isoniazid(900mg)併用直接服用観察 v isoniazid(300mg)自己連日服用

33ヶ月間フォロー

プライマリエンドポイントは結核確定、非劣性限界<0.75%

修正ITT解析結核発症は、
・併用群 7/3986(累積率, 0.19%)
・isoniazid単独群 15/3745(累積率, 0.43%)

治療完遂率
・併用群 82.1%
・isoniazid単独群 69.0%(P<0.001)

永続的薬剤中止率はそれぞれ、4.9%、3.7%(P=0.009)

研究者評価関連肝障害はそれぞれ 0.4%、2.7%(P<0.001)

リファペンチン (Rifapentine)がリファンピシンより主流になりつつあるようだ
http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/081030html/index.html
有効性よりは、各種薬剤と併用可能ということがその理由のようだけど・・・


潜在性結核感染症治療(化学予防)に関する届け出は、
結核感染後の発病予防すなわちリスク低下を目的とした予防的化学療法は,効果も確認されており,従来は化学予防といわれていたが,最近は潜在性結核感染症治療といわれるようになった。2007年4 月の改正感染症法の施行後,結核の届出基準が一部改正され同年6 月15日より適用された。それは年齢に関わらず,LTBI として治療を行う者は,届け出の対象とし,公費負担の年齢制限も撤廃することである。このLTBI は従来の初感染結核のみならず,広く発病リスクの大きい既感染者を治療の対象とし,今までは初感染結核に対しては発病を予防するために化学予防を行ってきたが,今後はLTBI という疾患の治療との認識である。すなわち「化学予防」から「LTBI 治療」へということである。
この治療を必要とするLTBI を届け出の対象とする理由は,
◯1 LTBI の治療は脱落が多いので,可能であれば服薬支援DOPT の対象とするべきである。
◯2 QFT の普及によりLTBI の診断精度が高くなったため,治療対象者からの発病は従来よりも増加するものと推定され,LTBI に対する治療を行っても発病する可能性があり,対象者に対して有症状時の早期受診をすすめるなど,適切な健康教育等が必要であることなどがあげられる。

http://www.jata.or.jp/rit/rj/2010_6.pdf
わが国の結核対策の現状と課題6 「潜在性結核感染症の感染診断と発病予防の現状と課題」ちば県民保健予防財団総合健診センター副センター長鈴木公典

故に、潜在性結核感染症治療(化学予防)に関する届け出は必要と思うが、届け出される側の行政の対応が今ひとつ周知・徹底されてないと思う。

by internalmedicine | 2011-12-08 08:37 | 呼吸器系  

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