HPSトライアル後続報: スタチン治療の効能長期継続確認

the Heart Protection Study (HPS)の11年間影響

LDL低下スタチン治療により血管イベントの絶対的減少をみとめ、HPS研究終了後も有害性無く最低5年はベネフィット継続。スタチン治療を迅速に開始し、長期的に継続する根拠となる。

Effects on 11-year mortality and morbidity of lowering LDL cholesterol with simvastatin for about 5 years in 20 536 high-risk individuals: a randomised controlled trial
The Lancet, Volume 378, Issue 9808, Pages 2013 - 2020, 10 December 2011
Published Online: 23 November 2011


in-trial期間中、シンバスタチン割り付け群は、LDL 平均 -1.0 mmol/L減少し、大血管イベント 23%減少に比例相当 (95% CI 19—28; p<0·0001)し、初年後有意に差が出た。
trial終了後(スタチン使用と脂質濃度は同等状況)、大血管イベント (相対リスク [RR] 0·95 [0·89—1·02])、血管死亡率 (0·98 [0·90—1·07])とも有意な減少を示さなくなっている。
in-trial 、post-trial組み合わせ期間中、全部位がん発症、特定部位のがん発症差認めず、癌寄与死亡率、非血管原因死亡に関して有意な差を認めず  (0·98 [0·92—1·05]、1·01 [0·92—1·11])、0·96 [0·89—1·03])





 HPS(Heart Protection Study)[12]は,二次予防も含まれるが,基本的には比較的重い危険因子を有している患者を対象とした一次予防試験である。TCについては135mg/dL以上という縛りでほとんど正脂血症といわれる患者が対象となっている。このような場合もスタチンでLDL-Cを低下させることにより,イベント抑制が有意に認められることが示され,ある程度危険度の高い患者では,LDL-Cは低下させることが絶対的に有利であることが示された。
http://circ.ebm-library.jp/topics/trialreview_koushi.html

by internalmedicine | 2011-12-09 12:09 | 動脈硬化/循環器  

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