米国75歳以上のがん検診:意義曖昧世代の検診施行率は高く、医師推奨がその要素となっている

75歳以上のがん検診にはあいまいさ(ambiguityと表現)がつきまとうが、半数以上が医師たちががん検診するよう推奨しているという実態が米国であきらかになった。人種・民族などは高齢者がん検診率の予測因子でなく、医師たちの推奨が影響を与えている実態。米国でも高齢化が進み、この世代のコストが最大増加要素とのこと。検診の効率性をより検討する必要性があるという趣旨の解説(http://www.medpagetoday.com/Geriatrics/GeneralGeriatrics/30193)

日本なんか、検診実施主体や行政までもが、高齢者まで、義務とかんがえて、がん検診をごり押ししている実態がある。

Bellizzi KM, et al "Prevalence of cancer screening in older, racially diverse adults: still screening after all these years" Arch Intern Med 2011; 171: 2031-2037.
【序文】 若年・中年成人でのがん検診行為や傾向に関してかなりの知見があるが、様々な人種背景を有する高齢者の検診行為に関する知見は少ない。このゴールは、75歳以上、人種的ばらつきのある老人の医師推奨を含む、がん検診の頻度推定と関連性を確立すること。

【方法】 National Health Interview Survey-年次、個別、国家的調査:米国市民の健康傾向追跡からのデータ。データサンプルは49575名、うち 1697名は75-79歳、2376名は80歳以上。検診行為を 乳がん、頚部癌、直腸結腸癌、前立腺癌検診について調査。

【結果】 75-79歳でのがん検診比率
・ 直腸結腸がん 57%
・ 乳がん 62%
・ 頚部癌 53%
・ 前立腺癌 56%

80歳以上では、検診率は頚部癌で38%、乳がんで50%低下などの開きがある
人種/民族での検診頻度非補正だが、多変量ロジスティック回帰補正による獲得教育レベルが低いことでの差であった。
それぞれの検査に関する医師推奨が検診の大きな予測要素。
75歳以上では50%超の男女が医師が検診推奨し続けていること報告されている。

【結論】 高齢者の検診は、この年齢群の推奨の曖昧さに直面しながら、高めに推移している。

日本でも ”年齢、受診間隔で対象者を限って、受診勧奨しやすくすると、 限られた予算・資源の中で最大限の効果(受診率UP、未受診者を減らす)が得られる”
http://www.mc.pref.osaka.jp/ocr/training/text/kensyu_ito.pdf
こういう当たり前の考えが主体となることを願う。

これを、弱者切り捨てだの、高齢者蔑視だの言うのはお門違いも甚だしい。

日本のような、対象者をしぼらない検診で得するのは”検診事業者”(及びこの事業を天下り先とする役人)のみ、損するのは検診対象者、国民・日本国法人(税金)・・・など多数。

by internalmedicine | 2011-12-14 09:13 | がん  

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