ぜん息LAR(遷延反応):感覚神経の役割 TRPA1阻害・抗コリン剤で効果

喘息治療は吸入ステロイドが主役ではあるが、全例に有効というわけではない。細菌の研究で抗コリン剤のチオトロピウムを吸入ステロイドに付加したところ、症状改善という報告がある。感覚性ニューロンの役割を考察し、麻酔下での遅延型反応消失を確認した上、感覚性ニューロンへの特異的な働きを探った。
チオトロピウムはアセチルコリン受容体遮断性に働く。感覚系受容体から副交感神経への特異的遮断により遅延型反応を遮断可能という仮説を証明した報告。

Original article: A role for sensory nerves in the late asthmatic response
Thorax 2012;67:19-25 Published Online First: 13 August 2011 doi:10.1136/thoraxjnl-2011-200365

アレルギー性喘息において、アレルゲン暴露後の早期反応:early asthmatic response (EAR) 、それに続く、持続的反応f ate asthmatic response (LAR)がある場合がある。ぜん息患者の多くはLARをぜん息の症候の一つとして考えているが、新しい治療entityの臨床的評価は増加しているが、メカニズムはまだ不明な点が多い。
卵アルブミン感作・Brown Norway rat and C57BL/6J mouse modelで、LARとその感受性 LARは聴取および呼吸困難を視覚的に確認し、非侵襲的肺機能評価で定量的評価も行う。
EAR改善治療はLARへインパクト示せず、麻酔にてEARにインパクト与えないが、LARは消失させた。
LARにおける気道感覚性ニューロン反射の重要性が仮説化とされているが、 ruthenium red (non-selective cation channel blocker)である HC-030031 (TRPA1(トリップエーワン) inhibitor) やtiotropium bromide (anticholinergic) で遮断されることが確認された。しかし、 JNJ-17203212 (TRPV1 inhibitor)では確認されなかった。

LARがチオトロピウムやTRPA1阻害剤で遮断される可能性があり、今後、治療の一助になるかも・・・
現時点ではスピリーバは”慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解”にしか公的保険適応はない。


痛みセンサーであるTRPA1(トリップエーワン)タンパク質
アンモニアの“ツン”とワサビの“ツン”は同じ — アルカリ性物質を「痛み」と感じるメカニズム解明 —
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2008/11/post-15.html

by internalmedicine | 2011-12-15 09:20 | 呼吸器系  

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