高脂血症治療薬:スタチンは実験レベルで肺の炎症に関して抑制的、免疫防御抑制も

スタチン系薬剤は実験系では肺の炎症を抑えるが、免疫防御としても抑えてしまう。

そのままだと、J-LITのサブ解析を悪用してスタチン無効論をはっているあのグループのいっていることもほんとに思えてくる。

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A Role for Hydroxy-Methylglutaryl Coenzyme A Reductase in Pulmonary Inflammation and Host Defense
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/171/6/606
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 171. pp. 606-615, (2005)
HMGCoA reductase阻害剤(スタチン)は前炎症性シグナルと機能に関与している文献が示唆される文献が増加している。しかし、スタチンがaerogenicな刺激による肺の炎症へ影響を及ぼすか、そして、宿主防御へ影響を与えているかを目的としている。
【目的】lovastatinがLPS誘起性肺炎症や抗菌的な宿主防御へ影響を与えているかどうかを評価
HMGCoA reductase阻害剤(スタチン)は前炎症性シグナルと機能に関与している文献が示唆される文献が増加している。しかし、スタチンがaerogenicな刺激による肺の炎症へ影響を及ぼすか、そして、宿主防御へ影響を与えているかを目的としている。
ている。

【方法】
C57B/6マウスを経口10mg/kg lovastatin(or vehcle)を3回、腹腔内に10mg/kgメバロン酸(あるいは食塩)処理し、以下を曝露
(1)エロゾル化LPS

(2)気管内のkeratinocyte由来chemokine(KC)
or
(3)気管内肺炎桿菌
【測定と主な結果】
LPS-とKC誘起性好中球はlovastatinにより減少、この効果はメバロン酸処理によりブロックされる
Lovastatinは実質のmyeloperoxidaseや微小血管透過性の減少と相関し、LPS後の気腔中・血中サイトカインの変化をもたらす。
Nativeな肺炎桿菌の肺クリアランスはlovastatinにより抑制され、肺外への波及は促進される。しかも、両者ともメバロン酸で可逆性を認める。
lovasatin処理したマウスの好中球のEx vivo研究でRac活性、Actinポリメリゼーション、ケモタキシス、殺菌への抑制作用を示した。

【結論】
lovastatinは肺の炎症を促進し、宿主防御を障害する。
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でも

実際の知見ではむしろ、スタチン治療は敗血症・肺炎に抑制的に働くようだ・・・


先行するスタチン治療は重症の敗血症の率を減少させる。
Prior Statin Therapy Is Associated With a Decreased Rate of Severe Sepsis
Circulation. 2004;110:880-885.
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/110/7/880


スタチン使用は肺炎入院患者の予後を改善。
The Association between Statin Use and Mortality for Patients Hospitalized with Community-Acquired Pneumonia
http://meeting.chestjournal.org/cgi/content/abstract/126/4/737S-b
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なぜか?

lovastatin 40mg程度が常用量と考えれば、10mg/kgというのが多すぎるのか・・

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左翼系・右翼系メディアどちらとも、薬剤副作用をあおるのはなぜ・・・?
勝手な想像だが、戦後の公害問題やキノホルムなどの薬害やワクチン接種副作用などの素材をかき立てることが彼らの社会正義であり、存在価値としてまなんできたのではないだろうか
多くのメディアの勲章と考えるのは、社会悪であり、権威への反抗である。メディアがしっかりしなければこの世の悪がなくならないという勧善懲悪思想による、白黒化・・・
それに相反する形の、既得権、記者クラブ制度・・・政府の提灯記事・世論形成記事、放送権、再販制度、販売所制度などはほおっかぶりで・・・
新聞社、テレビ局の給料は目もくらむほどである。その目くらましのために、医師などをたたいているのもあるのではないか・・・
話をもとにもどすと、薬害・ワクチン禍・環境破壊などさわぐのは、彼らの発想が、30-50年変わってないということなのである。当初の純粋な気持ちは無くなり、でっち上げでも薬害を作ろうとする
一般紙なら嘘を書いても良いという毎日新聞など、日本のメディアは腐っている。読売のタミフル脳症に関しても推測記事である。

J-LITと呼ばれるとてもエビデンスレベルの低い研究といったら、高脂血症の偉い先生におこられるが、そのサブ解析の後顧的検討で、コレステロール悪玉をでっちあげている集団がいる。

by internalmedicine | 2005-03-17 16:49 | 動脈硬化/循環器  

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