AHAステートメント:抗酸化ビタミン・サプリメントと心血管リスク減少


日本では営利業務と関連する業者とのスポンサーシップの独立性に疑問のある有象無象の学会が乱立し、バイアスのある、エビデンスレベルの低い研究を乱発し、マスコミを利用し、利用され、世の中に混乱をもたらしております。

日本のまともな学会のおえらい先生方は、サプリメントに関わる誤った情報に鷹揚で、結局、国民の健康に対する悪影響を放置することとなっております。
医師の中にも自らQuackeryとなっているものも多く見るようになりました。これ以上放置すべきでなく日本循環器学会あたりがステートメントを発表していただきたいと考えているところです。

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AHA(アメリカ心臓病協会)は心血管リスク減少目的とする抗酸化ビタミンサプリメントに関する科学的advisoryをリリースした。
2004年8月3日発行:
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/110/5/637

著者らは臨床治験で一般的に抗酸化サプリメントの心血管合併症・死亡率減少に関する有益性を示す事ができなかった。
この有効性が見いだされなかったことで、異なる参加者の異なる用量でも一致して見られた減少であった。
αトコフェロール、αトコフェロール+ビタミンC徐放、ビタミン徐放+ビタミンEにて心血管エンドポイントの改善を見た研究はより少数の研究にすぎない。

抗酸化サプリメントは心血管エンドポイントへの副作用を示すという証拠も出てきた。

抗酸化サプリメントがスタチン+ナイアシン治療の有効性を阻害するという報告、抗酸化ビタミンがHDL2、アポリポ蛋白A1の防御的作用を阻害するという報告がある。

この報告によると、科学的データからは、心血管疾患への予防・治療のための抗酸化ビタミンサプリメントの使用を正当化できない。
AHA Dietary Guidelineによる食事パターンで供給されるレベルの微量栄養素の使用が付加的効果をもつことを示すデータは存在しない。

2004年にリリースされた女性の心血管疾患予防ガイドライン、慢性安定狭心症の患者に対するACCの2002年ガイドラインなどのエビデンスに基づくガイドラインと一致したステートメントである。
長期食事療法に関する推奨としては、AHA Dietry guidelineであり、抗酸化作用や他の心血管予防的な栄養源としての食事、たとえば野菜、穀類、豆類などを推奨しており、規則正しい運動とバランスのとれたエネルギー摂取にて健康体重を維持することをもとめ、血中コレステロール・リポたんぱく、血圧の維持が望ましい。
http://www.aafp.org/afp/20050401/practice.html#p2

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by internalmedicine | 2005-04-13 12:25 | Quack  

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