糖尿病患者にとって大量飲酒が動脈硬化促進となる根拠


研究対象が日本ということに意味があるのかもしれない。日本人にとってはALD表現型の問題もあり貴重な論文と思われ・・・

Heavy alcohol intake, homocysteine and Type 2 diabetes
Diabetic Medicine Volume 0 Issue 0 - July 2005 doi:10.1111/j.1464-5491.2005.01653.x
─────────────────────────────────
中程度のアルコール摂取は一般にはそして糖尿病患者では動脈硬化を抑制するが、大量摂取は動脈硬化を促進する、ことに糖尿病患者においてという報告が示唆されている。横断的研究にてエタノール消費量カテゴリーと糖尿病における血中総ホモシテイン(tHcy)、動脈硬化リスク要因を中年男性において検討。
糖尿病患者では大量アルコール摂取は血中tHcy値と相関し、非糖尿病患者では相関せず。大量アルコール飲酒(平均エタノール消費>30ml/day)では血中tHcy増加と相関するが、非糖尿病患者では相関せず。糖尿病サブグループ中で大量飲酒者血中tHcyは非飲酒者より高い(10.25 ± 3.39 vs.8.88 ± 1.94 μmol/l, P < 0.05)、しかし非糖尿病サブグループでは大量飲酒者と非飲酒者のtHcyは同等(9.36 ± 2.52 vs.9.12 ± 2.10 μmol/l, NS)
2つの要因anovaで、エタノール消費量影響と糖尿病におけるtHcy値の関連が観察される(P < 0.01)
葉酸、ビタミンB12,クレアチニン、年齢、喫煙を含む要因はこの関連に寄与せず。糖尿病患者において大量アルコール摂取と動脈硬化の関連が比較的単純に説明できる。

by internalmedicine | 2005-06-29 10:40 | 動脈硬化/循環器  

<< 心筋梗塞既往の無い患者ではバイ... 子宮摘出による性的な機能の変化 >>