虫垂炎診断のためのCRPカットオフ値

Predictive value of C-reactive protein at different cutoff levels in acute appendicitis
The American Journal of Emergency Medicine Volume 23, Issue 4 , July 2005, Pages 449-453
後顧的に、症状発現時からの日数とCRPの値にて、虫垂炎かどうかを推定するカットオフ値を検討。

虫垂炎と他の急性腹部疾患との鑑別するCRP濃度カットオフ値:
1日目 1.5、2日目 4.0、3日目 10.5 mg/dL

急性腹部疾患と穿孔性虫垂炎の鑑別のカットオフ値:
1日目 3.3、2日目 8.5、3日目 12.0mg/dL

発症後3日で早期に診断する有用性の高い予後パラメーターである。

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開業して、発症後数時間の腹部・胸部症状の急性期疾患をみて・・・こういう超急性期の症状を診療できるのは、フリーアクセスが保証されている日本の保険制度のおかげであると思いつつ・・・ただ、こういう場合の診療エビデンスというのはあるのだろうかという疑問がもたげます。

医者同士の話で、虫垂炎とCRP値の話になって、右下腹部痛の患者に対してCRPが低いからまあ虫垂炎ではあるまいなどと・・・という話も・・・それで教科書をみると“CRPがあがることもある”というほとんど意味のない記載

Harrison様はどうかというと、なんと・・・CRPそのものの記載がない!

そして、白血球に関してはほぼ日本の教科書とほぼ同様
“白血球数 10,000-18000/Lの中等度の白血球増加が見られるが、白血球増多がないからといって急性虫垂炎の除外はできない。20,000/L超なら穿孔を疑う”・・・という記載。
・・・超急性期をみている開業医で、超初期の病像などをまとめてみれば、非常に診療上の役に立つのでは・・

by internalmedicine | 2005-07-30 11:47 | 消化器  

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