論文紹介の新聞記事は当てにならん

新聞記事というのは・・・ほんとに信用できない
自分の専門分野を持っている人はそうおもうのではないだろうか?
専門外の分野もたぶん・・・信用できないという勘は当たっているのだと思う。
新聞お悪いところは、断言調であり、最後に残ったパターナリズム社会なのだと思う。
にもかかわらず、パターナリズムだと生き残れない世界となったところを批判する。

外国の論文記事というのを掲載する場合は、だいたい配信元がはっきりするので、読み合わせると、新聞記事の偏向部分が明らかになる。


加筆例があったので、具体的に紹介する。

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なぜなぞ科学:運動時の水分補給、適量は?

毎日新聞 2005年8月17日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20050817ddm016070080000c.html
 暑い時の運動には水分補給が大切とされる。だがマラソンなどで水を飲み過ぎると、ひどい時は呼吸困難を起こすという。適量はどの程度か。

 運動すると汗が出る。汗の量は気温や運動量で違い、個人差も大きいが、国立スポーツ科学センターの川原貴・統括研究部長(スポーツ医学)によると、少なくて1時間に100グラム、最大2キロ程度だ。体重の3%程度の水分を汗で失うと、体温調節能力が下がり始め、熱中症を起こすおそれがある。
(略)
 適切な水分補給はどれだけか。「汗で失った分だけ飲むのが基本。運動後の体重減を2%以内に抑えるべきだ」と川原さん。適量を知るため、練習前後に体重をはかるのがよい。また水分補給が必要なら、真水よりスポーツドリンクや、水1リットルに塩2グラムを加えた食塩水がよいという。【高木昭午】
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元の論文は・http://intmed.exblog.jp/1863505/ に紹介したNEJMの論文で、ここには、補給水分の構成成分は問わないとかかれている・・・論文に関係ない加筆であり、科学的根拠に乏しいことを論文に書かれてるごとき誤解を与え、読者をミスリードするまことに問題ある記事である。




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邪推ではあるが、何れも巨大なスポンサー企業の影が見え隠れする・・・


この記事以降老人介護施設で、脱水予防ということで、塩水をのませることにきめたという・・・
マラソンと熱中症予防は関係ないと思うのだが・・・この施設医者の関与がかなり粗であり、無症状者に対する、ヘリコバクター・ピロリ検査を、職員におこなわせ、除菌療法を医療機関でさせているというかなり馬鹿なことをしている施設である。医療のSupervisionのない介護施設は非常に危険であると私は思う。

by internalmedicine | 2005-08-20 10:14 | メディア問題  

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