高用量ビタミンEはマウスの生存率を改善し、神経筋パフォーマンス改善::;ヒトと違う結果

ビタミンE使用は・・・心不全悪化、入院増加(http://intmed.exblog.jp/1753434)という人間とは異なる結果・・・


高用量ビタミンEは生存率を増加させ、脳機能を、“高い綱渡りでの神経筋パフォーマンス”とも有意に改善
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「綱渡り、T迷路」試験・・・2年
Press:http://www.the-aps.org/press/journal/05/16.htm
ビタミンE高用量にて如何に長く、“より良く”生きれるか?
多くの時間と多くの仕事がなされてきたが、2年間飼育、試験、研究がおこなわれ、スペイン Cadizの大学で、その努力に見合う利益がえられたと報告があった。

アルツハイマー病のヒトの実験と比べても生理的なビタミンEサプリメントを用いた。
・雄マウスは40%寿命中央値を増加させた (to 85 ± 4 weeks from 61 ± 4)
・最大寿命を17%増やした (to 136 weeks from 116 weeks)
・神経筋パフォーマンスの能力改善(high-wire tightrope)やcognitivie exploratory activity(T-maze)を改善;両試験の増加は9-24%(52週齢)、28-45%(78週齢)
・脳αトコフェロール濃度をビタミンE投与により2.5倍雄マウスで増加
・ビタミンEサプリメントはミトコンドリア機能低下の様々な測定項目を埋め合わせた:52週と78週で37%-66%

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この結果は、加齢の“フリーラジカル理論”をサポートするものとしている。

実験マウスは、CD-1/UCadizで、60-70週の寿命中央値、最大寿命100-120週。
ビタミンEは28週齢で投与した。


特にこの研究者たちは、lipid protein oxidation productsのミトコンドリア・コンテンツ、フリーラジカル介入反応の誘導、酸化ダメージは、加齢マウスの脳や肝に蓄積し、その効果はビタミンEによって部分的に(そして意義あるほど)予防できる。脳ミトコンドリアの蛋白カルボニル含有物は、28週齢マウスを参考にすると、52/76週で33-69%増加し、この増加はビタミンEサプリメントにより76%と65%と著明に予防される。

ビタミンEサプリメントは、「加齢のミトコンドリアマーカー:mtNOS(95%減少)、Mn-SOD(60%減少)、NADH-cytochrome C reductaseとcytochrome oxidase activityを35%
減少させ、脳酵素の活動性減少を予防可能である」と述べている。

脳内・肝臓内ミトコンドリア内のmtNOSに結合した内膜とmatrix enzyme MnSODの活動性もまた年齢とともに減少し、以前の報告と一致し、ミトコンドリア酵素の不活化のrandomnessより特異的な概念内にあると思われる。

次のステップはミトコンドリアの機能障害の手がかり
興味ある関連:
1)酸化ダメージと(脳と肝臓の)酵素活動性の逆相関
:酸化・傷害された蛋白により、アッセイ上の高度希釈化された脂質酸化産物(ie., maloaldehyde)の直接の抑制的影響によるものではない。
2)electron transfer rateの減少と、呼吸・エネルギー供給の減少が、加齢におけるミトコンドリア機能障害の基本でありミトコンドリア機能障害は神経パフォーマンスの減少のペースメーカーである
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アカゲザルの研究がWisconsin-Madisonで、より長期のカロリー減量と酸化ストレスの実験がなされいる。(Science. 2005 Jul 15;309(5733):481-4. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=16020738&query_hl=2



結局、どう判断して良いのかわからない・・・のだが、特殊な条件下の動物実験の結果を人間に当てはめて良いかどうか?
人間の成績をしばらくは信じる方がよいと思われ・・


ビタミンEというのは、フリーラジカル連鎖反応を脂質ペルオキシラジカル捕捉により停止し、脂質ペルオキシラジカルがビタミンEのフェノール水素を引き抜く反応で、脂質ペルオキシラジカルに水素を供与し、安定化させ、自らがラジカルとなるが、それ自体は安定とのこと

良いことづくめのような気もするが、一方

さらに、こういうのも掲載されている
 
 ↓

BBCにてフリーラジカル老化との関連否定論
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/3485508.stm
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UCLチームは理論の根本におけるエビデンスを反証したと述べている。
Dr Tony Segalは、白血球細胞はoxygen free radicalを形成し、微生物の殺害に有益であるプロセスであると述べ、重篤な、慢性、しばしば致命的な感染症への防御機転となっている。このこと自体が、高度毒性があり、細菌や真菌と同様にタフな器官を殺すなら、ヒトにダメージを与えるものだろう。
しかし、かれらの研究では、oxygen radicalの毒性のベースとなっている基礎理論が不備だらけであると言う。
白血球細胞に破壊を与えるほどはないが、外的侵入者を処理するには有効な酵素であることを示した。細胞内のカリウムの流入により引き金となる酵素の産生を見出した。もしこの流れがストップすると、サソリ毒由来の化学物質を使って再現すると、細胞は外的侵入者を処理できない。かれらはそれで、フリーラジカルは毒性分子としての成分はないのではないかと考えている。
製薬会社が、高価な抗酸化薬を用いて、治療効果を見出そうとしている。oxygen free radicalの病的要因としての理論や抗酸化物質の治療的価値は再評価されるべき。

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7月に新聞紙上、“老化に活性酸素関与せず 日米チーム、従来の説否定”が掲載されたが、先の論文と全く逆で、フリーラジカル説を真っ向から否定している。

原本:
Science, Vol 309, Issue 5733, 481-484 , 15 July 2005

ほ乳類組織のミトコンドリアDNA(mtDNA)の遺伝子変異蓄積がみられ、それが老化と関連という仮説。proofreading-deficient version of the mitochondrial DNA polymerase g (POLG) の欠損マウスではmtDNA変異が蓄積し、加齢促進を示した。
mtDNA変異の蓄積は酸化ストレスのマーカー増加や細胞増殖欠如と関連せず。しかし、apoptotic marker特に急激な細胞のturnoverと関連。正常マウスの加齢の間は、apoptotic markerの値も増加する。このようにapoptosisを促進するmtDNA遺伝子変異の蓄積が、ほ乳類の加齢のcentral mechanismと考えられる。



※単に白血球のフリーラジカルが殺細胞・臓器作用がないというだけで言いすぎのような気もするが、最後の論文はやや納得・・・で、研究者たちの間ではまだフリーラジカル悪者説さえ仮説にすぎないというお話


みのもんたやあるあるでは、フリーラジカルと老化を既定の事実として話されてますがね

by internalmedicine | 2005-09-05 17:30 | 動脈硬化/循環器  

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