急性中耳炎のガイドライン(米国家庭医学学会)

急性中耳炎のガイドライン、特に抗生剤治療の制限が掲載され、米国のマスメディアがこぞって取り上げているようです。

抗生剤治療を忌避する動きがあるようですが、抗生剤乱用を防ぐことも重要ですが、適正治療は必要で、リスクを層別化して、より効果的な治療が重要だと考えますし、極端な抗生剤を全面的に使用しないというのも、危険な考え方と思います。

極端な治療法にかたよらせないという面で、ガイドラインの設定は重要です。

────────────────────────────────────
AOM(急性中耳炎)米国家庭医学学会のガイドライン
http://www.aafp.org/x26481.xml
http://www.aafp.org/PreBuilt/final_aom.pdf
定義:
1.最近の、通常突然の、中耳の炎症やMEE(中耳の浸出物)の兆候や症候
2.MEEの存在の示唆
a.鼓膜の膨張(bulging)
b.鼓膜の運動性の制限あるいは欠失
c.鼓膜背後の液貯留による空気液体の境存在(air fluid level)
d。耳漏

3.他の示唆所見
a.鼓膜の明らかな発赤 
あるいは
b.耳痛(正常な行動や睡眠など他の原因でない場合)

────────────────────────────────────
明瞭な診断は、3つのクライテリア全部が合致したときのみ
1)急性発症
2)MEEの存在
3)中耳の炎症の兆候と症状


急性呼吸器症状(急性呼吸気器症状、発熱、耳痛、激しく泣くこと)疾患受診患児の90%にAOMあるが、AOMでない患者でも72%であり症候論的な診断は予測因子としては不的確

耳鏡だけでなく、補助的にtympanometryやacoustic reflectometryがあればよい。

※推奨
急性発症の、中耳の浸出液の同定、中耳の炎症の症候・症状の存在で診断すべき

※推奨
AOMの治療は痛みの程度の評価かあら入るべき。痛みがあればまず痛みをとることをまず行うべき
1)アセトアミノフェン・イブプロフェン
2)家庭内処置(対照試験はされてない):効果は限定的だろう
Distraction
温熱や冷たいオイルを外から当てる
3)局所薬:付加的だが、短期的効果は5歳を越える場合はアセトアミノフェンより効果あり
Benozcaine(Auralgan、Americaine Otic)
Naturopathic agents(Otikon Otic Solution)
4)ホメオパチー:対照試験無し
5)コデインなどの麻薬:中等症以上では効果あり、呼吸器系、メンタル面、消化管症状、便秘への影響
6)手術(Tympanomy/myringotomy):技術を要し、リスクがもちろんある

推奨
合併症のない、抗生剤無しの観察は、診断が確定し、年齢、重症度、フォローアップが確実であり、選択された患児のオプションである。(制限されたランダム化、利益・リスクで相対的なバランスを有する)

抗生剤使用せず、観察だけの場合は、面倒みている人とのコミュニケーションが医師とできている場合で、子供の再評価(再診のことでしょう)がなされなければならない。必要なら直ぐに薬物治療を手にいれられるようにできるべき。
重症でない6ヶ月から2歳、症状のひどくないあるいは診断確定できない2歳以上患児の場合に限定されるべき


6ヶ月未満:
診断確定:抗生剤治療
診断未確定:抗生剤治療
6ヶ月~2歳未満:
診断確定:抗生剤
診断未確定:もし重症の症状があるなら、抗生剤投与、もし重症でかなければ経過観察というオプション
2歳以上:
診断確定:重症なら抗生剤、重症でなければ経過観察というオプション
診断未確定:経過観察というオプション
────────────────────────────────────


付録
受診をすべきポイント
アメリカ家庭医学学会の一般向けてびき
・1月齢未満:摂氏38℃超えていたら重症感無くても直ぐに受診。急変が多い
・1~3ヶ月:38℃以上(重症感無くても)なら直ぐ受診、24時間以上続き37.5℃以上なら受診
・3ヶ月以上:38.5℃以上なら、行動をよく観察。もし熱が上昇したり、3日以上続いた場合、受診を。

<警告サイン>
行動の変化
常に嘔吐・下痢
口の中の渇き
耳痛や耳を引っ張ったときに痛がる
数日以上の発熱や熱の上昇
高い鳴き声
いらいら・落ち着かない
おなかがすかない
顔面・皮膚蒼白
痙攣
重症の頭痛
発疹
関節の痛み・腫脹
咽頭痛
頚が曲がらない・動かない
胃痛
頭・頚周りの軟部組織がはれている
反応がない
喘鳴、呼吸に問題あり
弱々しい鳴き声

by internalmedicine | 2004-05-04 12:01 | 呼吸器系  

<< BCGワクチンの有効性は50−... 中国からのホッキ貝放射線照射について >>