バッシングの嵐の中で・・・


パイロットなどはかなりメディアからは私たちの方から見れば、寛容の眼でみられているようです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マスコミの報道 大事故が発生した場合、必ずしも事実に基づかない事故の解釈が一人歩きをし、マスコミ主導でひとたび意見が形成されると、当事者に対する批判が激しく、いかに正論であってもまともな抗議ができなくなる場合がたびたび見られる。このような状態は、真の事故原因究明にとり障害といえる。社会が一方的な意見に偏ることなく、常に多面的な側面から自由な意見が言える風潮を保持していく必要がある。
(人間と工学研究連絡委員会 安全工学専門委員会報告)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-19-te1030-2.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

“多面的な側面で自由な意見”は封じ込められ、医師、その中でも、今一番のターゲットである開業医への批判というのがあからさまと感じています。
厭世的な気分にさえなってますが、この医療費削減が医療の質・患者の安全性確保が二律背反していることが議論されていないことが悲しいというか、実に、空恐ろしいことだと思います。

来年医療費5%削減となれば、コスト削減として、一番行われるのは人的コストでしょう。自らの給与を含め、従業員の給与削減は仕方がないと思います。
ところが、片方には、医療事故はゆるさないどころか、病院に行って死ぬことさえすべて医療事故であると考えている患者・家族さえいます。この方たちのニーズを支えるために多大なるコストがかかります。医療側はおそらく多大なる労力をそがれることとなっているのです。



アメリカでさえ、医療過誤訴訟改革法案(Help Efficient,Accessible,Low-cost,Timely Healthcare Act of2003:H.R.5)は可決したというのに・・・日本の医師の方がはるかに土壌にて訴訟リスクを負っているわけです。

夜間急病センターというのが、各地にできてますが、ほとんど、無償に近い手助けです。ところが、このような、月々30万-50万円を今後支払うような命令をされるようなリスクをだれがひきうけるでしょうか?全国各地の夜間急病センターはおそらく・・・医師給与低下とともに消え去ると思われます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050929-00000211-kyodo-soci


開業医というのは、自らの財産・どこからか担保を得て、事業を興している中小企業の社長という側面があります。かれらと比較すべきであるのに、勤務者と比較され続けています。


開業医は社長とほぼ同じだと思うのですが・・・こちらは批判されません。
 ↓
社長の年収3200万円 「報酬は取締役会」は1割
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050822-00000134-kyodo-bus_all
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
社長の平均年収は3200万円--。人事・労務問題専門のシンクタンク、産労総合研究所(東京)の調査で22日、こんな結果が明らかになった。 調査は大企業から中小企業まで3500社を対象に実施、189社(上場88社、未上場101社)が回答した。役員報酬の平均は会長が3400万円、社長は3200万円。専務2500万円、常務2000万円、取締役1300万円となった。 役員報酬の実質的な決定者は社長、というのが圧倒的に多く74・1%。取締役会で決めているのは10・1%どまり。 役員報酬に業績を反映させるかどうかについては、「参考程度」が最も多く38・3%。「ほとんど業績評価で決まる」は10・3%にとどまった。(共同通信) - 8月22日17時42分更新
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

判例をみれば、あの悪しき訴訟社会の米国でさえ、上限を設けているのに・・・日本は無限責任を医師に求めております。


大きな流れは、福祉・医療蔑視・軽視政策のスケープゴートとして、開業医をはじめてする医者へのメディアによるバッシングがなされてる。
われわれ開業医は、悪名高きイギリスの医師への報酬以下で、高額報酬に米国の医者のレベルをもとめられる、ねじれた現象がつづくことがさけられなくなりました。・・・・・・・日本の医師たちはいまでもギブアップしているのです。




財産をゆだねることもある、一級建築士は、懲戒処分の氏名さえ公表されておりません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1級建築士の懲戒処分件数と概要を初公表 国交省
http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY200509120271.html
2005年09月12日19時57分 国土交通省は12日、1級建築士に対する懲戒処分の年間件数と概要を初めて発表した。・・・・・氏名の公表については、「ペナルティーの一種であり、建築士法に規定がない現状では公表できない」(同省)としている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


小泉のお膝元の、神奈川県の夜間急病センターの撤退問題をみれば・・・
システムや政策批判でなく、過渡の医者バッシングに陥った行く末に、個人の医者のとるべき道は、訴訟リスクの少ない医療をめざし、患者ニーズと無関係の職務への移行行動である。
米国でさせ、医療賠償上限が設定されているのに、日本では、救急・小児・産科の医師はとくに、丸腰で、褐線に向かってるようなものなのである。
・・・あいかわらず、小泉の支持率は高いというが、サッチャーのたどった道をきれいにトレースしているのである。10年以上医療の暗黒時代が続き、だれでも簡単に医者にかかれなくなるのは確実であろう。

アメリカかぶれの小泉およびその周辺が日本を誘導するアメリカ医療制度
 ↓
Primary Care And Health System Performance: Adults’ Experiences In Five Countries
(http://content.healthaffairs.org/cgi/content/full/hlthaff.w4.487/DC1)

“費用は高いのに治療は低水準~米医療制度は問題だらけ”
http://www.usfl.com/Daily/News/05/11/1104_024.asp

小泉らは、単にBushのいいなりであり、その後見人の・・・・のいいなりという

日本人は、メディアに簡単にだまされる・・・・ほんどはいい国なのに・・・

by internalmedicine | 2005-11-05 23:38 | くそ役人  

<< 不適切な検診結果報告書 アレルギー性鼻炎と飛行機上の耳痛 >>