抗生剤皮膚テスト・・・日本の医療の恥部だな


日本の臨床ガイドラインというのは、外国のものまねか、あるいは、独自で作ったものはとてもレベルが低いものが多い。
まともな臨床トライアルが限られていることもさることながら、やっつけ仕事がおおく、真の専門家がつくったものではないことが多いので、???というのが多い。
作成者が、インパクトファクターとやらで臨床の教授様になり、それが臨床の大家と自動的になるための弊害なのだろうと・・・そして、真の専門ではないが・・・適当にそれらしく作成して、臨床に役立たないか、意味のないガイドラインを作成して、厚労省からお褒めをいただく・・そういう図式か?・・・著作物となるのでかれらはまぁ仕事をしていることとなる


ご多分に漏れず、というか、代表的な・・・日本のガイドライン
 ↓
抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策のガイドライン
http://www.chemotherapy.or.jp/journal/reports/hinai_anaphylaxis.html

ってのは、かなり変な内容が多い・・・


“皮膚反応試験にはプリックテストおよび皮内反応試験”と書かれており、並列表記がなされている。
“薬剤Aというのがあれば皮膚反応をすればわかる”という考えで作られた・・・頭の悪い人たちが作ったガイドラインである。

日本の無駄無益の・・・ペニシリン以外の抗生剤皮内反応が行われる素地はこのガイドライン作成者たちなのではないかと・・・


Antibiotic Allergy
NEJM Volume 354:601-609 February 9, 2006 Number 6
http://content.nejm.org/cgi/content/full/354/6/601
皮膚反応はアレルギー特異的なIgE抗体を検出するためである。
しかし、ペニシリンを例外にすれば、多くの薬剤で明確なimmuogenは知られてない
(薬剤代謝産物や変性産物由来のものが判明してないだけかもしれないが)
故に、in vivoやin vitroの診断で抗生剤特異的なIgE抗体を同定できる手段というのは限られている。
明らかな抗生剤の成分の試験はアレルギー専門家で行われているかもしれないが、皮膚反応陰性でもIgE抗体が無いという解釈はできないのである。
むしろ、テスト陰性結果は、アッセイ技術の感度不十分さを示し、薬剤の免疫原性が現在用いることができない
皮膚反応はペニシリンアレルギー同定に対して正確である。penicilloyl polylysine や multiple minor determinantsが重要な役割を果たしていると判明していることもある。
penicioyl polylysineや10,000単位/mlに希釈したもの、微量のアレルギー関与物質(通常、10-2 Mのベンジルペニシリン、benzyl penilloate、benzyl-n-propylamineを含むを混合)にて行われる。
full-strengthの皮膚プリックテストがまず行われ、もし15分後陰性なら皮内テストが行われる。
発赤経が最小3mm、直径の対象より拡大している場合は、陽性
ペニシリンアレルギー癧を有する患者の20%未満はテストの時にIgE特異的抗体を検知される。
皮膚反応陰性の場合は、以前の反応が非IgE介入であったか、抗体が存在しなくなった可能性がある。
陰性の場合は最小リスク(一般の人とその頻度を比較して、4%以下の頻度)でペニシリンを再投与可能である。
製造産業の問題で、penicilloyl polylysinは商業的に利用できなくなってきているのが大問題である。





これをみれば、日本での抗生剤皮膚反応ってのは・・・さっぱりわからんことを、やってることがおわかりいただけると思う。さらに、セフェム系どころか、キノロン系の皮内反応液も存在している。ところが、まともなペニシリン過敏症に対する皮膚試験の試薬は存在しないのである。

by internalmedicine | 2006-02-09 11:48 | 医療一般  

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