韓国における非定型抗酸菌は以前考えられていたより臨床的影響が大きい


Clinical Significance of Nontuberculous Mycobacteria Isolated From Respiratory Specimens in Korea(Chest. 2006;129:341-348.)
http://www.chestjournal.org/cgi/content/abstract/129/2/341
多くのアジア諸国での非結核性抗酸菌(NTM)肺感染症に関わる正確な疫学的データは比較的少ない
気道系サンプルから採取したNTMの臨床的意義を確認するためNTMが同定されたすべての患者のカルテをレビューしたもの
794名の患者から1548のNTM分離。
794名の患者のうち、131名(17%)においてNTM肺疾患を同定。64名(8%)で疾患関連が示唆。
NTM肺疾患の195名の患者のうち、82名42%が上葉の空洞性病変、101名(52%)がnodular bronchiectatic form(結節性気管支拡張変化・・・となるのだが)、12名(6%)が分類不能

NTM同定患者の1/4が臨床的に意義あるNTMとのこと。韓国内のこの報告は世界の報告と異なるが、喀痰中のNTMを臨床的に過小評価していることはたしか




the American Thoracic Society and the British Thoracic Societyガイドライン

日本のもこれに準じているが、菌種毎に細菌学的な基準が違う・・やや細かになっている
http://www.kekkaku.gr.jp/ga/ga-24.htm

以前から非定型抗酸菌症診断の障壁をわざと高くしている理由は臨床的意義のないNTMを多く引っかけてしまい、必要のない治療がなされることを危惧されているからだが、そのために、見逃されてしまっているNTMも多いのかもしれない。


NTM(MAC)の確診例
a0007242_10273216.jpg


これほどだと診断は確定的だが、治療法はというと心細い限り・・・結核病学会のウェブサイトにおける診断の見解は比較的新しいが、治療法は以前のまま・・・・

ただ、治療法がないからといって放置すべきというわけにはいかない
病状を評価する必要性があり、また、アジア人特有なのか、NTMの人体への影響は、欧米人より大きいのかもしれない。

by internalmedicine | 2006-02-17 11:51 | 呼吸器系  

<< BMJの文献アクセス制限方針:... COPD急性悪化の主役級出演者たち >>