グルコサミン・コンドロイチン硫酸の関節症に関する効果は中等症・重症に限定的効果(しかも、併用時のみ)

Reuterでは、サプリメント軽症関節炎に効果なし と割り切った紹介



Glucosamine, Chondroitin Sulfate, and the Two in Combination for Painful Knee Osteoarthritis
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/354/8/795

NEJM Volume 354:795-808 February 23, 2006 Number

平均59歳で、64%が女性。
グルコサミンとコンドロイチン硫酸は有意にプラセボより改善はなしだが、20%痛み減少。プラセボの反応(60.1%)と比較して、グルコサミンは3.9%高い(P=0.30)、コンドロイチン硫酸は5.3%(P=0.17)で、併用治療の反応率は6.5%(P=0.09)
celecoxib対照群の反応率は10.0%プラセボ対照より高い(P=0.09)
中等度~重症疼痛のベースラインの患者では、奏功率は有意にプラセボより高い(79.2 % vs 54.3% P=0.002)
副作用は軽度、頻度が少ない、グループ間の分布は均一であった。

1583名の有症状変形性膝関節症をランダムに割り当て
グルコサミン 1500mg、コンドロイチン硫酸 1200mg、celecoxib 200mg、プラセボ24週
レスキュー使用としてアセトアミノフェン4000mg/日を上限使用




こういう種類の検定は、どの程度の効果だと臨床的に有益であるかの仮説を立てておく必要がある。単に有意差がでたの出ないのでは意味がない。
この場合は、WOMAC疼痛サブスケールの20%減少を効果ありと判断しているのである。
この程度の差をどう考えるか・・・サプリメントの値段が高ければそのコスト効果は吹っ飛ぶだろう。

NSAIDSとの比較は、同等性、あるいは非劣性(noninferiority)に関する前提ではなされてないようであり、これ以上の解釈は困難だろうが、NSAIDsより効果が少ないことは想像できる。
中等症・重症に関して、グルコサミン・コンドロイチン硫酸は使用しても良いが、NSAIDS治療とのコスト・効果比較で検討すべきだろう。

グルコサミンとコンドロイチン硫酸はその効果が認められているが、そのメカニズムは不明
ランダム対照化トライアルにてプラセボよりそのグルコサミン・コンドロイチン硫酸混合が疼痛軽減に効果が多くで報告され、毒性はプラセボと差が無い。出版バイアスがかなりみられ、効果の有るという報告のみが多数に上っていた。2つのメタ解析を含む検討で、治療効果が認められてたが、グルコサミン単独での効果は無かった。NIHの基金による検討で今回、2種混合物のみでその効果が認められた。






限局的な効果としては肯定的と考えて良いだろう・・・ただ・・・その効果は内容を見ればわかるとおり、マイルド

勘違いした医者やQuackerのエビデンスとして用いられてはたまらない

NIHが認めた・・・などと宣伝しそうで・・・

テレビで、個人の体験と・・・小さなテロップを出しながら・・・モノスゲー効果を宣伝しているのをよく見かけるが、ありゃかなり悪質だとおもう。グルコサミン系のサプリメントに多い犯罪に近い宣伝

by internalmedicine | 2006-02-23 09:13 | Quack  

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