抗コリン作動性薬剤で軽度認知機能障害


この件に関してはすでに報道にて紹介されているようである。
http://hello.ap.teacup.com/d-inf/505.html


原著を見ると・・・通常の抗コリン性薬剤と、若干、趣が違うようで・・・注意が必要


Anticholinergic drugs may cause cognitive decline in elderly people
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;332/7539/455

BMJ 2006;332 (25 February)
抗コリン作動性薬剤は、老人における、非変性性の軽度認知機能障害と関連する可能性がある。Ancelinらは、60歳超の372名の研究開始時点で認知症のないコホート研究において、一年後、抗コリン作動性薬剤継続しよう患者の80%で軽度認知機能(MCI)のクライテリアに合致することが見いだされた。対照群である抗コリン作動性薬剤非使用者35%で有った。
しかし、八年後抗コリン作動性薬剤は認知症の進展リスクを増加するまでは至らなかった。






影響の図






MCIに関してはEisaiさん提供のパンフで解説している。

http://www2.eisai.co.jp/clinician2/cl2_04_529/sp_529_03.pdf




コリン作動性の副作用、抗コリンの作用は、


(a)ムスカリン遮断性の定量的評価のための血中radioreceptor assayで評価
(b)特異的な平均推定臨床効果の総計


とのこと

で、実際に問題となる薬剤の種類
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/332/7539/455/TBL1
抗ヒスタミン、コデイン、コルヒチン、ジゴキシン、フロセミド、テオフィリンなどが、三環系抗うつ薬、抗パーキンソン薬とともにあがっている。





私自体コリン作動性がわからなくなりそうなので・・・
<コリン作動に関する学生向けシラバス>
http://www.miyazaki-u.ac.jp/~itokt/PDF/cholinergic.web.pdf


が参考になった



長期的に痴呆につながらないとなると、MCIと痴呆が異なる病態であるという証明のような気もしないでもないが・・・違うのだろうか?

不勉強だったが、フロセミド、テオフィリンあたりが・・・コリン作動性だったとは

by internalmedicine | 2006-02-24 10:17 | 医療一般  

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