rapid ACTH test

検査法提要は私らの検査のバイブルだが・・・rapid ACTHテストの記載がなくなりちょっと心配になった。


29版・32版:掲載 あり
30版・31版:掲載なし



結局は、32版で復活したのだが・・・いったいなんだったのか?


ちなみに・・・
<検査方法>
rapid ACTHは、前採血後、合成1-24ACTH0.25mg筋注または静脈内投与し、
30.60分後に採血し、血中コルチゾールを測定する。
健常者はコルチゾールの値が2倍以上に増加する。
増加をみないときは、予備能低下で副腎皮質不全が疑われる。
(第32版 検査法提要抜粋)


なお、コートロシンZで、用法用量通りおこなって・・・アナフィラキシーを経験してるので・・・私は怖い!

注意事項:

用法・用量
1.副腎皮質機能検査の場合:
1日テトラコサクチドとして0.5~1.0mg(1~2mL)を1~2回に分けて筋注する。
※筋肉注射しか認めてない
重要な基本的注意
1.副腎皮質ホルモン療法から本剤に切り換える際は離脱症状を防ぐため,副腎皮質ホルモン剤の投与を急に中断せず一定期間(最低1週間)これらを併用すること。
2.まれにショックを起こすことがあるので,使用に際して下記の点に留意すること。
(1).ショック等の反応を予測するため,十分な問診を行うこと。
(2).あらかじめ皮膚テストを行うことが望ましい(皮膚テストとしてはコートロシン注の104倍程度の希釈液を皮内に注入し,15~20分後の皮膚反応を観察するなどの方法がある)。
(3).本剤の投与に際しては,常時,ただちに救急処置のとれる準備を整えておくこと。
3.本剤の投与後は,患者を安静にさせ,観察を行うことが望ましい。

・・・とくに副腎不全を想定した検査だから、それ相応の心と器具の準備は必要だろう。


Harrisonから:
スクリーニングテストとしてのいわゆるrapid ACTH刺激試験は、cosyntropin 25 units(0.25mg)を静脈内・筋肉内投与し、投与前・30分・60分で比較。
試験は1日のうちどの時間でも良い

多くのカット値:
 刺激後>500 nmol/L(>18g/dL)
 増加値がベースラインより>200nmol/L(>7g/dL)増加

重症疾患では反応しない。


比較的最近の論文
To critically review the utility of the cosyntropin stimulation
test for evaluating adrenal insufficiency.Ann Intern Med. 2003;139:194-204.(pdf)

原発性副腎不全(cosyntropin 250μg)、2次性副腎不全(cosyntropin 250μg)、2次性副腎不全(cosyntropin 1μg)などで、特異度95%、感度97%、57%、61%であった。
cosyntropin 250μgの特異度95%で、summary ROC analysisでは尤度11.5(95%CI 8.7-14.2)で陰性尤度 0.45(CI 0.30-0.60)の2次性副腎不全診断に対する結果であった。

by internalmedicine | 2006-05-12 11:37 | 医療一般  

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