喘息は自己免疫疾患は頻度減少に働く


喘息はAGAとか考えれば、自己免疫疾患増加へ働きそうなものだが・・・逆のようである。

Autoimmune Diseases in Asthma
Ann. Int. Med.20 June 2006 Volume 144 Issue 12 Pages 877-883
4888841名のうち、男性より女性の方が自己免疫疾患関与が多い
喘息女性に比較して、非喘息女性では有意に自己免疫疾患が多い。例外は抗リン脂質症候群。
喘息男性は、I型糖尿病、血管炎、関節リウマチは喘息を有しない男性より少ない

フォローアップ期間中、血管炎や関節リウマチは良性の非喘息対象者に於いて、喘息患者より多い。
非喘息女性の自己免疫性血小板減少性紫斑病、炎症性腸疾患、抗リン脂質症候群が多く、非喘息男性においてI型糖尿病の頻度が有意に高い。


免疫系の抗原との遭遇というのが環境により、寛容、感染性免疫、自己免疫といったものに影響を与える。



I. 外因性
A. Molecular mimicry
B. Superantigenic stimulation
C. Microbial adjuvanticity

II. 内因性
A. Altered antigen presentation
1. Loss of immunologic privileg
2. Presentation of novel or crytic epitopes (epitope spreading)
3. Alteration of self-antigen
4. Enhanced function of antigen-presenting cells
a. Costimulatory molecule(副刺激分子) expression
b. Cytokine production

B. Increased T cell help
1. Cytokine production
2. Costimulatory molecules

C. Increased B cell function
D. Apoptotic defects
E. Cytokine imbalance
F. Altered immunoregulation


以上がHarrisonに書かれている機序





<ビタミンDとの関係>・・・>働きはカルシウム調節だけではない
ビタミンD供給の少ない地理的な環境、たとえばスカンジナビアなどでは、多発性硬化症、関節炎、糖尿病と相関する。ビタミンDの活性体は、実験的動物モデルで高い頻度で自己免疫の進展を予防し、ビタミンD欠乏は少なくとも実験的な自己免疫脳脊髄炎(マウスの多発性硬化症モデル)の重症度と相関し、免疫系で、ビタミンDをターゲットにすることが進められており、ビタミンDを介した免疫調整システムのメカニズムが理解されようとしている。(Proceedings of the Society for Experimental Biology and Medicine 223:230-233 (2000)


IBDにおけるビタミンDと1,25(OH)2D3関係
(American Journal of Clinical Nutrition, Vol. 80, No. 6, 1717S-1720S, December 2004)


・・・・ただし、ビタミンDは過剰摂取による有害性があるのでご注意

<NatureのReview
Autoimmune disease: why and where it occurs
Nature Medicine 7, 899 - 905 (2001)
自己免疫疾患は一般の3-5%で生じ、障害を受ける臓器や組織に従って分類されている。各臓器のほぼ全てに自己免疫疾患が存在し、その臓器の抗原に反応するものである。他方、SLEのような、非特異的な細胞がターゲットであり、全身の抗原に反応するように見えるものもある。





環境要因
LPS,細菌DNA、ウィルスのような微生物の産物が、アジュバントとして働き、関連してない免疫反応を改善


by internalmedicine | 2006-06-22 14:43 | 医療一般  

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