たばこ:疾患・死亡の原因のなかで予防できるもっとも大きな危険因子

新聞というのは背後の圧力で動いているのではないか?

数々の嘲笑をさそう毎日新聞社説などを見ると、そう感じしまうのだが・・・

産経新聞もJTの味方?
JTとしては、7月からのたばこ増税を4.7%の減収要因とするなど、“たばこ包囲網”に危機感を募らせている。 だが、厚労省は「数値目標は韓国のほか、米国、英国、フランスでも導入されている」(健康局)として、数値目標導入の姿勢を崩しておらず、JTとしては、厳しい状況が続きそうだ。(http://www.sankei.co.jp/news/060919/kei018.htm


タバコが、" the leading cause of preventable illness and death "(たばこ:疾患・死亡の原因のなかで予防できるもっとも大きな危険因子)(NIHコンファレンス2006年)ということをお忘れなのでは?

"人口寄与危険率は,集団を対象にし,疾病と要因との間の一般的な関連性の程度を定量的に表現するために算出されたものであり,曝露群に属する特定個人の疾病原因を判定することを目的としたものではないから,それのみによって個人の疾病原因の判定をすることは本来的にできないものである"という司法判断(たばこ裁判:PDF)は、dose-response relationshipを無視するものであり、日本の司法判断の非科学性が証明された。情的な司法判断が横行することとあわせ、その司法の尊厳性は地に落ちている。


2006年6月NIH State-of-the-Science Statement on Tobacco Use: Prevention, Cessation and Controlなる集まりがあり、FINAL STATEMENTが12月のAnn Int Med.に掲載されるとのことで、そのearly releaseがウェブ上公表されている。

その中で、“Understand the role of different media in increasing consumer demand for and use of effective, individually oriented tobacco cessation treatments for diverse populations.”などというのが、メディアの役割と書かれている。日本のメディアはその役割を忘れ、JTという巨大産業や財務省側につくのを是としているのだろうか?


成人および特定の集団の禁煙介入戦略:システミック・レビュー
Systematic Review: Smoking Cessation Intervention Strategies for Adults and Adults in Special Populations
http://www.annals.org/cgi/content/full/0000605-200612050-00142v1
http://www.annals.org/cgi/data/0000605-200612050-00142v1/DC1/1

タバコ使用はUSにおいて予防可能な疾患・死亡原因の第一である。一度タバコ依存が生じると、止めることは困難。タバコ使用によるニコチン依存は長期間・一生涯、禁煙を維持するために妨げとなる。禁煙するための多数の試みがなされ、成功率を倍加、三倍化する助けなしに行われている。禁忌以外をのぞいてカウンセリングや行動療法を含めた禁煙戦略がなされたら、第一・第二の戦略として行われている。
特に、妊娠、禁煙関連疾患にて入院しているときに禁煙へのモチベーションの助けになるようである。多くの組み合わせの状態、精神、認知機能疾患、医学的状況下ではより感度の高い、特異性の高い戦略・サービスが求められる
NIHコンファレンスの背景として、システミックレビューをおこなったもの*self-help、カウンセリング、単剤、合剤、心理学的カウンセリングを伴う薬物療法
self-help単独では無効。カウンセリング+薬物療法は単独、組み合わせで禁煙試みの成功率アップ。効果の上でself-help materialにはdiscrepancyがある2つの研究がある。カウンセリング介入には混合した結果が示され、14の研究で薬物単剤、薬物併用、心理学的介入(±薬物療法)の十分な効果が示された。特定の住民に対するリーチ・治療方法の研究は少ない。

3つの研究で入院患者において臨床的診断が禁煙尤度に影響を与えるという強いエビデンスがないというレビューと一致した結果。合併する心理的状態・薬物乱用問題の患者に関する介入の有効性の新しいエビデンスは乏しい。

by internalmedicine | 2006-09-21 11:04 | 呼吸器系  

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