薄切CT検診は手術可能なStage Iの肺癌検出に役立つ

肺癌リスクを有する人に対する薄切CT検診の有用性が確定的になってきた印象をもつが、多方面の議論も出てくるかもしれない。

Survival of Patients with Stage I Lung Cancer Detected on CT Screening
N Engl J Med 2006;355:1763-71.

対象者:

40歳以上
肺癌リスク
 ・喫煙癧
 ・職業上暴露(アスベスト、ベリリウム、ウラニウム、ラドン)
 ・間接喫煙



I-ELCAPレジメンに従ったCT検診は手術可能なStage Iの肺癌検出に役立つことが判明した。肺癌死亡の80%を予防できる可能性が示唆されたのである。
USでは、肺癌診断17万3000名の診断、16万4000名の死亡がある。肺癌として診断されている人の約95%が死亡しているのである。

40歳以上のリスクはベースライン調査時1.3%、年次検査時0.3%の発見率であり、乳ガン発見比率(ベースライン調査時 0.6-1.0%、年次検診時 0.2-0.4%)より若干高い。

故に、高リスク患者への薄切CTの意義は確定的なのでは無かろうか・・・という論文



1993年、Early Lung Cancer Action Project (ELCAP)が開始され、肺癌の早期診断のため、スパイラルCTを利用し、喫煙者を対象としたものである。
肺癌診断された80%超の人がStage Iの肺癌であったというものである。
この結果、アップデートされたプロトコール適応が確立の方向へ動いている
しかし、肺癌リスク状態にある無症状対象者に対する検診を正当化するに十分な早期介入となるかどうかという疑問が呈されていた

スパイラルCT検診で、Stage Iの肺癌に関する、手術例を含めた全例を報告したもの

大規模共同研究で、31567名の無症状肺癌リスク患者をlow-dose CT施行(1993-2005)、27456名については、7-18ヶ月後再度検診を行った。
10年肺癌生存率を推定、生検で確定し、治療の種類は問わない。切除標本を病理委員会でレビューされた。
肺癌診断:484名、412名(85%)がStage Iであり、10年生存率は88%(95%CI 84 ~ 91)と推定。
診断後1ヶ月以内手術施行302名のStage Iでは、生存率は92%(95% 88 ~ 95)
治療を行わなかった8名は診断後5年以内に死亡
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毎年のスパイラルCT検診は治療可能な肺癌検出に役立つ。
“Annual spiral CT screening can detect lung cancer that is curable.”



組織型
【ベースライン検診時診断】
・腺癌
気管支肺胞上皮型 20
他の型 243
・扁平上皮癌 45
・腺扁平上皮 3
・非小細胞(分類不能) 5
・神経内分泌
非定型的カルチノイド 2
大細胞 15
小細胞 9
・他 6

【毎年検診時診断】
・腺癌
気管支肺胞上皮型 1
他の型 30
・扁平上皮癌 14
・腺扁平上皮 0
・非小細胞(分類不能) 2
・神経内分泌
非定型的カルチノイド 1
大細胞 8
小細胞 7
・他 1




一般住民で肺がんリスクと考えられるのはたばこなのだが、それでもJTは抗弁するのである。そして、それを是認する司法・・・
JTは「嗜好(しこう)品への判断に国家権力が介入すべきでない」と、数値目標設定に反対。さらに、たばこ増税による特定財源化についても「財政の硬直化を招く」と批判する。
JT、喫煙率引き下げ数値目標で厚労省に反論
Sankei (09/19 21:37)



by internalmedicine | 2006-10-26 08:41 | 呼吸器系  

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