死亡時の認知症頻度30%


イギリス都市部の調査で・・・
死亡時の認知症頻度30%
65-69才時の6%から95才時の58%まで年齢と共にその頻度増加に強い相関がある。
絶対的な差は小さい(10%未満)が、
教育、社会階層は認知症減少や死亡前重度認知低下に有意に働く。

Dementia before Death in Ageing Societies— The Promise of Prevention and the Reality
Investigators Medical Research Council Cognitive Function and Ageing Study
The Promise of Prevention and the Reality. PLoS Med 3(10): e397

あらためて、死戦期の認知症頻度の高さにおどろかされる。この時期、医療関係者はそのケア密度が上がるわけだから、その合併率・頻度の高さは重要である。潜在的入院コストも上がっているはずである。(・・・役人どもは無視するだろうが)

以下の日本の認知症頻度にくらべればずいぶんその頻度が高い容易に思えるが、死戦期に関して認知症頻度は結果として高いのであろう・・・
“地域高齢者の認知症の有病率は、調査によっては3.0%から8.8%とばらつきが大きい2)。 年齢が75 歳を超えると急激に有病率が高まる3)。年間の発症率は、65 歳以上で1%から2% と考えられているが、65 歳から69 歳では1%以下であり、80 歳から84 歳では8%と年齢 とともに急激に増える。”(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/051221/dl/08a.pdf)


入院患者、特に、生命に関わる医療機関での認知症対応というのが重大な問題として出現してきているということがわかると思う。



認知症関係と言うことで・・・“高齢運転者に認知検査義務づけ”らしいですね
http://www.asahi.com/car/news/TKY200610120200.html
高齢ドライバーによる交通事故が増えていることから、警察庁は12日、高齢者の免許更新時に認知症の有無や、記憶力、判断力などの認知機能を調べる簡易検査を義務づける方針を明らかにした。識者がつくる懇談会から提言を年内に受け、来年の道交法改正に向けて、運転免許制度の見直しを進める。

 認知症は、02年施行の改正道交法で免許の取り消しや停止の行政処分の要件に盛り込まれた。年代別の有病率を基にした同庁の試算では、認知症の疑いがあるドライバーは30万人に上るのに、認知症が理由で免許が取り消されたり停止されたりしたのは、同年以降、今年6月までで計192人にすぎない。

 処分のきっかけは、6割は家族からの相談、2割弱は交通事故を起こした際の言動だった。実際には、認知機能が低下しているのに本人の自覚がないため、発覚しないケースが多いとみられる。免許の自主返納は近年、増えているが、昨年は約1万9000件にとどまっている。

 検査は20分程度のテストを計画しており、得点に応じて「認知症の疑いがある」「認知症に至らないが、認識機能低下の疑いがある」「認識機能低下の疑いがない」に3分類する。

 認知症の疑いがわかった場合、専門医の診断を受けてもらい、免許取り消し・停止を判断する。認知機能低下の疑いがある人には、高齢者対象の実車講習の際に運転の注意点を個別に指導する。

 65歳以上の3割に認知機能の低下がみられるとの研究結果もあるが、警察庁は検査義務づけの対象について、「70歳以上」を軸に検討している。同庁によると、70歳以上の免許保有者は05年末で540万人。10年末には免許保有者の12人に1人に当たる676万人になると推計されている。この年代による死亡事故は増加傾向にあり、1万人当たり1.4件。全免許保有者の平均0.8件の2倍近くに上る。

 出合い頭や正面衝突、路外逸脱の事故の割合がほかの年代と比べて高く、赤信号や一時停止を守れなかったり、注意を向けた方向にハンドルを向けたりするなど、集中力や判断力の衰えが見られる事例が多いという。


田舎の交通機関はますます衰退の一途なのに・・・どうなるんだろうと・・・
田舎の宅配・配送サービスが盛んになるのだろうか?・・それにしても田舎は生きるだけでコストがかかる・・・高齢化社会では都市部集中しかないのだろうか?

by internalmedicine | 2006-11-02 10:58 | 医療一般  

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