敗血症患者の副腎不全の診断

Diagnosis of Adrenal Insufficiency in Severe Sepsis and Septic Shock
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 174. pp. 1319-1326, (2006)
Rationale: 重症患者の副腎不全の診断においては、ランダムだったり、cosytropin刺激コーチゾル値などにより判定したり、より正確な診断スタンダードとしては確定したものはない。

Objective: overnight metyrapone刺激試験で、標準のcosyntropinテストの診断価値を評価するもので、敗血症関連副腎不全の頻度を調査

Methods: This was an inception cohort study.

Measurements and Results: 2つの連続敗血症コホート(n=61、n=40)で、敗血症無し患者44名、健康対照32名
(1)cosyntropin刺激後の血中コルチゾル、アルブミン、corticosteroid結合グロブリン値
(2)血中corticotropin、コーチゾル、11β-deoxycortisol値(overnight metyrapone刺激前後)

副腎不全の定義をmetyrapone投与後の11β-deoxycortisol値<7μg/dl

敗血症患者はオリジナルなコホート59%(31/61)・validation cohortの60%(24/40)ということで、非敗血症患者7%(3/44)より副腎不全クライテリアに合致する比率が多い (p < 0.001)

コルチゾル基礎値(<10μg/dl)、Δコルチゾル(<9μg/dl)、遊離コルチゾル(<2μg/dl)の陽性尤度比はほぼ無限、8.46(95%CI 1.19-60.25)、9.5(95%CI 1.05-9.54)であった。
bestな副腎不全予測因子(metyrapone試験で定義)はベースライン10μg/dl以下、Δコルチゾル 9μg/dl未満である。
副腎反応正常のbestな指標は、cosyntropin刺激コルチゾル 44μg/dl以上、Δ孤立ゾル16.8μg/dl以上

Conclusions: 敗血症において、副腎不全はベースラインのコルチゾル値<10μg/dlかΔコルチゾル<9μg/dl
もし、cosyntropin刺激コルチゾルが44μg/dl以上もしくはΔコルチゾル16.8μg/dl以上なら副腎不全はないだろう。



臨床検査法提要から
メトピロンテスト
【方法】 (1) 標準メトピロンテスト:メトピロン1日12錠を6分割で1日間経口投与,投与前,中,翌日の尿中17-OHCSを測定する。
 (2) 迅速メトピロンテスト:メトピロン4~6錠を経口投与,2,4,6時間後に採血。デオキシコルチゾール,ACTHを測定する。
【判定】 健常人では血中ACTH放出の増加と副腎ステロイド増加がみられる。標準法では尿中17-OHCSが投与後に前値の2倍以上に増加する。迅速法では投与後4~6時間後にデオキシコルチゾール増加と,2~4時間後にACTHの2倍以上の増加がみられる。
下垂体前葉機能低下症では反応が低下するかまたは無反応となる。Cushing病では過大反応を呈するが,副腎腫瘍によるCushing症候群ではACTH分泌機能が抑制されており,無反応となる



副腎クリーゼというのは原発性輻腎不全患者の診断されてないケースがmajor stressにて発症したり、糖質コルチコイドを細菌感染や他の病態により必要量が不足したり、ウィルス性胃腸炎や他の胃腸疾患により嘔吐が継続したり、重症となったりした場合に生じることが多い。2つの主な症状は腹痛と発熱で、腹部圧痛は深く触診することで誘発され、通常一般的にみられる。原因は不明であるが、polyglandular autoimmune failureを合併する場合、serositisの所見としての症状が出現する。



* 体重減少と胃食道愁訴はまず胃腸の悪性腫瘍の疑いが強い

* 皮膚の色素沈着は必ずしも存在しない。副腎不全の患者では色素沈着欠損し、二次・三次副腎不全では存在しない。加えて、色素沈着は抗ガン剤、抗マラリア剤やテトラサイクリン、フェノチアジン、zidovudineなどの他の薬剤の副作用や重金属で生じる可能性がある。ヘモクロマトーシスの色素沈着は副腎不全のそれと類似するが、粘膜面は滅多に侵されない。

* 未治療副腎不全の患者は主に昼間の血中TSH値増加し、コルチゾルは正常のTSHサーカディアンリズムを調整する役割がある

by internalmedicine | 2006-12-08 09:42 | 呼吸器系  

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