慢性便秘症


Chronic constipation: advances in management
Neurogastroenterology and Motility, Volume 19, Number 1, January 2007, pp. 4-10(7)

・・・というのを見て勉強の触発


便秘とその管理:エディトリアル
BMJ 2003;327:459-460 (30 August), doi:10.1136/bmj.327.7413.459
さまざまな病態生理に基づくプロセスにより、腸管のfrequency低下とrectal evaculationの障害という理解が重要

大腸の径が正常なのか、拡張しているのかが臨床的には重要な鑑別点である。

正常な径(非拡張性)の腸管で緩下剤抵抗性の重症な便秘は妊娠可能年齢の女性はよく存在する。

正常腸管の場合:
通過時間が遅いとき、鍵である心理的な異常は腸管のpropulsive activity(推進運動 ?※蠕動と訳したくなかったので)の減少である。
上部消化管の通過と感覚機能の変化も関係ある。
神経異常が腸管にある場合は、下剤の慢性使用による二次的なCajalのペースメーカー細胞の変化などによるものがある。
行動療法治療による機能障害の回復があるということは、神経学的変化も二次的なものもしばしばあることを示唆する。

便秘は現在他の原発病因による広範な症候の一つという認識である。

脊髄損傷患者のほとんどすべてが便秘であり、腸管の制御できないことは、"distressing symptome"のひとつである。多発性硬化症でも同様に頻度が高い。

軽症患者では、行動療法による治療が有望で、可逆的な変化であることが多い。



拡張腸管の場合:
拡張した直腸および糞便のつまり(いわゆる、特発性メガコロン)は10代男女ともに多い。小児期から侵されていることが多い。行動的な問題を持つ例もあり、腸管神経筋の軽度異常による例もある。

糞詰まり(faecal impaction)は老人にも見られ、特にケア中の患者において。一般健康状態が良くない、薬剤が関与している場合。
腸管すべてに拡張がある場合は稀で、腸管神経・筋肉の異常が明確にあり、propulsion障害がある。
慢性の腸管偽性閉塞の場合、便秘は痛み、嘔吐、栄養障害などの症状組み合わせの一つである。


慢性の長期軽症便秘の患者一般には検査は必要なく、対症療法で十分であり、食事マネージメントで症状が改善する。慢性の便秘がより重度の時、詳細にその原因に関してしらべ、治療に関して必要となる可能性がある。
単純なbulking agentや緩下剤が用いられる。

難治性の便秘の老人では、センナのような刺激物質が、bulking agentとともに用いられ、lactuloseより有効で、安価。

Polyethylene glycolベースの緩下剤が、特発性便秘や分詰まりに対し、最近、長期使用で用いられている。
しかし、緩下剤は多くの患者で持続して症状改善に寄与するわけではない。加えて、食事性繊維増加と共に症状悪化、腸管機能の改善がない場合、鼓腸など生じる可能性がある。






by internalmedicine | 2006-12-26 08:51 | 消化器  

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