ヘリコバクターピロリ治療 AFP・アップデート

日本では潰瘍治療は内視鏡診断に基づきおこなわれ、H pylori検査はその診断後に行われるのが基本で、NUD→H pylori治療という、米国の診断治療戦略が違うので、そのまま導入はできない。


Update on Helicobacter pylori Treatment
February 1, 2007 Vol. 75 No. 3
世界の半数がH pylori感染者であり、NUD患者においては除菌が症状改善に有効かは不明だが、除菌の胃十二指腸潰瘍の治癒・再発・再出血リスク減少にかかるエビデンスがあり、“テスト-治療”戦略が分類されてないdyspepsiaのほとんどで推奨される。非侵襲的検査にて陽性なら、除菌治療される。この戦略において制酸剤の使用と内視鏡がすくなくなる。最近まで10-14日間治療g推奨されていたが、より短期間のレジメン(1-5日)がコンプライアンス改善に伴い89-95%の除菌率が示されている。小児においてはその有効性が確立しておりおらず当面7-14日で処方すべきである



<resistanceについて>
・ 一つの小規模トライアルで、1回以上のレジメン治療失敗の70%でpantoprazole (Protonix)、 amoxicillin、 levofloxacin (Levaquin) の三剤10日間治療で奏功した報告
・ PPI、bismuth、 metronidazole (Flagyl)、tetracyclineといった標準組み合わせ(10日間投与)にと同様、clarithromycin、ranitidine、ビスマス、アモキシシリンといった4剤戦略のメタ解析ではいくぶんbenefitが報告されている
・ 耐性38%においてrifabutin(Mycobutin)300mg/日を含むレジメンで38%の成功率



当方、除菌に関して比較的すぐ着手したのだが、最近は、初回治療失敗の人たちの治療に悩んでいる次第である。そのうち、二次除菌のガイドラインが提示されるとずっと聞かされて長くなるなぁ・・・


2 次除菌療法を提示しなければならないが、保険適用薬剤のみの使用では、効果が期待薄であるのは自明である。これまでの欧米やわが国の論文を集め検討したところ、メトロニダゾールを使用した除菌療法の効果が最も優れており、わが国では保険適用にはなっていないが、補足として付け加え詳しく解説した。
(日本ヘリコバクター学会:改訂版ガイドラインhttp://www.jshr.jp/Japanese/06_gakkaishi/guideline2003.pdf)

2月に行われる国際学会では、Levofloxacinとmetronidazoleベースのrescue therapyが報告されるようである。

by internalmedicine | 2007-02-07 11:51 | 消化器  

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