小児へのかぜ薬、鎮咳薬中止すべき?

NYTのpodcastingを聞いていたら、かぜ薬の安全性に関して触れてたので、朝日≒NYTということで、また朝日&浜六郎タッグやらかしたのかと、しかも今度は国際的に・・・・と思ったら違っていて安心した(それにしても、タミフルに関しては私の知る見識ある医師はすべて冷静に判断していて・・・さすがだなぁとうれしく思う・・・患者さんは馬鹿マスコミより身近な見識を持った医者の意見を信用してくださいと思うのだが)

ちなみに → タミフルのFDAのQ&A



話を元に戻すが・・・

NYTの記事は、木曜日の専門家のミーティングを含めた話であって、以下の報告の対策のミーティングであったようである。
CDC: http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5601a1.htm
FDA: http://www.fda.gov/medwatch/safety/2007/safety07.htm#coughcold


心臓伝導系への影響、ひいては不整脈を生じる可能性について説明されている。
血管への影響を与え、高血圧や卒中との関連も指摘されている。稀なケースだが、小児においては通常量でさえ障害を受けることがある。

CDCの2004-2005年の最近の研究では1519名の二歳未満小児で重篤な健康問題を生じていることが判明した。
3名が死亡していることを当局が見いだしている。


新しいregulationを検討すべきという話になりそうだが、FDAは時期尚早すぎて新しいregulationに対するレビューが出せないと述べているようである。これは、一部の著名の小児科と公衆衛生専門家の嘆願書に対して応じたコメントである。嘆願書には稀な場合の重症合併症を生じることがあると述べている。
FDAのGanley博士は、OTC薬や鎮咳薬は小児において適切に試験を受けていない。推奨量は多くの場合推量によるものであり、小児への安全性・有効性のデータはないと述べている。

Toddler's Dimetappの製造側スポークスマンであるDoug PetkusはOTC服薬以前に医師に相談をと述べている。・・・続く



フェニルプロパノラミン(phenylpropanolamine、PPA)の問題だけでなく、多くのせき薬・かぜ薬は鼻充血薬、抗ヒスタミン、鎮咳剤、去痰剤や、dextromethorphan、 guaifenesin 、phenylephrineを含む。しかしながら、1970年以前のほとんど試験されてない成分が含まれているのである。
故に、上述の言葉がでてくるのである。


NYTは日本の糞メディアと違い、ちゃんと情報ソースが偏ってないと改めて思う。日本のメディアは“タミフル脳症”に関しては記者が筋書きを書き、それに沿った証言を書き、反論は限定的になるように意図された偏った記事が多い。医系でない官僚がはじめて知ったなどとふざけた会見をして、ますます、国民感情とやらを逆なでさせて、“薬害”を煽る。感情で判決を下す日本の司法制度が正しいと思っている国民性だから・・・科学性なんてこの日本にはないのでは?
・・・と独り言

OTC薬の不思議は・・・医家をバイパスすることを目指す癖に、under a doctor's supervision(医師と相談の上・・)が前提であるという矛盾

OTCは、バックグラウンドの身体評価がなされてないわけだから、医家用薬剤より厳しいregulationが必要であると思うのだが、現実離れしたイメージ画像を垂れ流すCMを許すほど当局はOTCに対して甘い。そして、外圧のもと、薬剤師や薬商という資格者の手元さえ離れようとしているのである。

まともなメディアなら、感情のみを煽る報道をするのではなく、地に足のついた報道をしてもらいたいものである。・・・まぁ無理かな


別項に移すかもしれないが・・・
麻黄湯というのをインフルエンザの治療に使うところが増えているらしい
麻黄(マオウ)
桂皮(ケイヒ)
杏仁(キョウニン)
甘草(カンゾウ)

麻黄はいうまでもなくEphedraであり、PPAと類似した作用がある。
PPAの副作用を報じた同じ号のNEJM(Volume 343:1833-1838 December 21, 2000 Number 25)にephedra含有サプリメントの心血管、中枢疾患への副作用が書かれていることを思い出してほしい。
・・・麻黄湯は安直にタミフル代わりに出せる薬剤ではないのである(このことは依頼原稿雑誌に書いたことがあるが・・・)。
・・・安直なブログ記載があったので、気になった。




このブログはじめたのが 2004-03-03
抗菌グッズは無駄だから買うな・・・アメリカ医師会は使用注意を喚起
http://intmed.exblog.jp/48364/
からはじまって3年過ぎたようです。

それをさかのぼること3年程度、メーリングリスト投稿や自宅サーバ掲示板などにまとめていたのですが、やはり管理が面倒になりブログ一辺倒になったといういきさつです。

元々目的が自己中心的な自己学習のための防備録で、日本語もむちゃくちゃで訳もむちゃくちゃ・・・
その割には見ていただく方もいるようで、奇特な方々に感謝申し上げますとともに、今後もおつきあいいただければ幸いです。・・・

by internalmedicine | 2007-03-03 08:54 | 医療一般  

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