肺癌検診:CTでも見慣れた結果

CT健診も発見はできるが、進行肺癌発見の例数減少や死亡減少にはかならずしもつながらないという見慣れた結果が発表されている。

JSCTS(http://www.jscts.org/jp/references)の文献リストに加わることだろう


Computed Tomography Screening and Lung Cancer Outcomes
JAMA. 2007;297:953-961.

日本とは異なり、現行の喫煙者・喫煙既往のあるものに対して米国では肺癌検診を行っている。しかしながら、肺癌のアウトカムへの影響に関してはデータが少ない。
現行下での健診を評価したもの

1998年開始の無兆候3246名の現行・喫煙既往者の長軸検討(観察期間3.9年中央値)
年ごとのCTにて結節陰影を評価

メイン・アウトカム測定:新規肺癌例の、肺癌切除例、進行肺癌例、肺癌死亡例

結果:
肺癌診断 114名 vs 予測例数44.5名(相対リスク[RR] 3.2 ;95%CI 2.7-3.8 P<.001)
肺切除例109名 vs 予測例数10.9名(RR 10.0: 95%CI 8.2-11.9 P<.001)

・進行肺癌新規診断の減少の証拠無し(観察死亡数 42 vs 予測死亡数 33.4)
・肺癌死亡数減少の証拠無し(観察死亡数 38 vs 予測死亡数 38.8 ; RR, 1.0; 95% CI, 0.7-1.3; P = .90).





日本では非喫煙者まで対象にしているのでさらに対費用効果は落ちるだろうに・・・いつまで続けるのだろう。この原資を別の健康施策に使うべきだと私は思う。私毎だが、肺癌の二次健診施設としての義務的レクチャーを受けてきたが、確かに個々の事例を見れば早期発見で助かったことが多いというのは当たり前で、感情論的な施策という印象しか受けなかった。・・・近藤理論という変な話は別にしても日本の健診は合理的でないものが多すぎる。米国ではPSAでさえ・・・

by internalmedicine | 2007-03-07 09:48 | 呼吸器系  

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