週末入院心筋梗塞は予後が悪い



週末発症の卒中は予後が悪い(Stroke 2007; 38: Saposnik, G, et al)

・・・とは、似て非なる報告

医療関係者は休日も週末も差が無く働けという話?・・・違うと思う。

日曜・祝日に休めなくなるということを保証してあげるシステムを国が準備しろということだと思う。・・・どっちゃにしろマンパワーが必要であり、それなりの予算が必要ということ・・・小泉以来、医療予算を削ることに懸命だが・・・いったい何人の超過死亡があったのだろう


小児科医の過労死問題がある時に、こういう発言をするのが担当大臣という恐ろしい国
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「たしかに病院に着いてから帰るまでの時間は長いかも知れないけど、その中には待機してる時間や休憩時間、自分の研究をしてる時間も含まれてるんだから、本当の勤務時間である『患者を診察してる時間』だけを見たら、厚労省の調査では別にたいしたことはない」
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http://ameblo.jp/med/entry-10027348772.html
(大臣も国会答弁している時間以外の報酬を国に返すべきだな!・・・アホ大臣)

本題に戻すが・・・
Weekend versus Weekday Admission and Mortality from Myocardial Infarction
NEJM Volume 356:1099-1109 March 15, 2007 Number 11
ウィークエンドの患者は侵襲的診療が少なく、特に入院後初日から2日が少ない(P<0.001).

週末入院心筋梗塞は予後が悪い_a0007242_12171347.jpg

1999年から2002年(56786入院)で、30日後死亡率は有意に週末入院で高い (12.9% vs. 12.0%, P=0.006).
差異は入院日が大きい (3.3% vs. 2.7%, P<0.001)、その差は1年持続する(死亡率絶対差1%).
30日後の死亡率の差は人口統計学的な特徴、合併疾患、拘束部位補正後も差異あり
(hazard ratio, 1.048; 95% confidence interval [CI], 1.022 to 1.076; P<0.001)
しかし、侵襲的心臓処置補正後は有意でなくなった (hazard ratio, 1.023; 95% CI, 0.997 to 1.049; P=0.09).


以前の報告

多くの病院で平日のルーチン業務であり、週末は緊急・時間外扱いである
病院スタッフはウィークエンドに減少し、数的にも、専門性とも減少する

この違いが予後に与える影響と言うことで、156136名、38ICU入院で、リスク補正病院死は9%ほど週末は多かった(Med Care. 2002 Jun;40(6):530-9.)。
カナダの研究では、冠動脈造影の使用低下と有意でない死亡率低下を報告している(New Engl J Med Volume 345:663-668 August 30, 2001 Number 9)

National Registry of Myocardial Infarction databaseではPCIの時間増加と死亡率増加の関連が報告されている。
(JAMA. 2005;294:803-812.)

by internalmedicine | 2007-03-15 12:15 | 医療一般  

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