肺癌とたばこ

いまさらな・・・題目だが、最近とみに、喫煙者肺癌と生涯非喫煙者肺癌とを区別して、肺癌を考える傾向が強いようである。


【肺癌と病因研究の歴史】
100年前職業性の原因を示唆され、タバコとの関係は1920年頃から疑われている。
タバコが現在の肺癌流行の以前の数世紀使われてきているが、19世紀後半から機会が発達し、商用販売されてタバコ製品が広く、たくさん消費されるようになった。
タバコ喫煙は、1920年代後半から肺癌の原因として疑われ、医師たちは喫煙者に多く見られるという不均一性に気づきはじめたのである。
Muller(Tabakmisbrauch und Lungencarcinom Eingegangen: 24. Dezember 1938 )は症例対照研究にて1940年ドイツで肺癌の原因であると示したが、第二次世界大戦の喧噪にかき消された。
1950年、いくつかの症例対象研究が出版され、いずれも喫煙と肺癌に関する相関関係を示す者であった。
Doll R. On the etiology of lung cancer. J Natl Cancer Inst 1950;11:638-640.
・Wynder EL, Graham EA. Tobacco smoking as a possible etiologic factor in bronchiogenic carcinoma; a study of 684 proved cases. JAMA 1950;143:329-336.

そして、多くの研究により、禁煙後の肺癌リスク減少が示されている。
Anthonisen NR, Skeans MA, Wise RA, Manfreda J, Kanner RE, Connett JE. The effects of a smoking cessation intervention on 14.5-year mortality: a randomized clinical trial. Ann Intern Med 2005;142:233?239



Pathogenesis of Lung Cancer 100 Year Report
American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology. Vol. 33, pp. 216-223, 2005

歴史として、PROFILES IN TOXICOLOGY A Short History of Lung Cancer Toxicological Sciences 64, 4-6 (2001)も参考になる。

しばしば、問題になる用量依存関係について
0-40本/日の間では用量依存関係が見られる(Journal of Epidemiology and Community Health, Vol 32, 303-313

他、CIGARETTE-SMOKING AND BRONCHIAL-CARCINOMA - DOSE AND TIME RELATIONSHIPS AMONG REGULAR SMOKERS AND LIFELONG NON-SMOKERS JOURNAL OF EPIDEMIOLOGY AND COMMUNITY HEALTH 32 (4): 303-313 1978


たばこ肺癌訴訟では肺癌患者側が負けるはずもないのだが、理論より情状を重視するという日本の不可思議な裁判所判断が存在する。


【予後】
・喫煙と肺癌生存率
Smoking and Lung Cancer Survival
(Chest. 2004;125:27-37.)



【非喫煙者肺癌】
・Lung Cancer in Never Smokers: A Review
Journal of Clinical Oncology, Vol 25, No 5 (February 10), 2007: pp. 561-570

肺癌はUSでは癌の中でも最も多い疾患。喫煙が肺癌の原因だが、アメリカの肺癌の約10%が障害非喫煙者。非喫煙肺癌(LCINS)は女性において男性より不平等に多い。
疫学原因、分子異常、LCNSの予後に関するデータが少ない。
ラドン、調理ヒューム、アスベスト、重金属k、環境喫煙、HPVウィルス感染、遺伝子要因などのいくつかの疫学余韻が提案されている。
LCINS発症での民族間の個別要因についてまだその特徴が得られていない。
腺癌がLCINSの主な組織学的サブタイプであるが、障害非喫煙者のNSCLCに対するイレッサなどEGFR-TK(epidermal growth factor receptor tyrosine kinase)抑制剤奏功率やアウトカムに、喫煙者肺癌との大きな相違がある。
興味有ることに、EGFR-TK抑制剤のmutationの活性化がLCINSで多いということ。



生涯非喫煙者の肺癌リスク要因

・シンガポールでの非喫煙者肺癌の疫学
Journal of Clinical Oncology, Vol 24, No 15 (May 20), 2006: pp. 2245-2251:喫煙者肺癌と非喫煙者では組織系が違い、喫煙者では予後が悪い

天ぷら油の関与も示唆American Journal of Epidemiology. 151(2):140-147, January 15, 2000.

by internalmedicine | 2007-03-19 08:53 | 呼吸器系  

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