たばこと皮膚の老化、肺の線維化
2007年 03月 20日
Arch Dermatol. 2007;143:397-402.
再現性のあるphotonumeric scale(写真数値化スケール?)とやらで、皮膚の老化を評価
9ポイント制で、観察者がグレードに従って評価する。
22-91歳までの82名の健康な女性を対象にした。
観察者間を含め再現性良好で、日光から防御された部位での皮膚の老化は年齢と喫煙歴(一日の本数)と強い相関を持つ。
タバコの煙抽出液で人肺線維芽細胞のEGR-1経由でMMP-2活性化
Cigarette Smoke Stimulates Matrix Metalloproteinase-2 Activity via EGR-1 in Human Lung Fibroblasts
American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology. Vol. 36, pp. 480-490, 2007タバコ抽出物(CSE)がMMP-2蛋白発現を誘導し、正常肺線維芽細胞のMMP-2 gelainase活性を増加させる。
EGR-1が、COPD患者の肺でrobust expressionを示す事実が確認されているが、
CSEの線維芽細胞処置で、EGR-1 mRNA・蛋白の著明な誘導が用量依存的・時間依存的に出現し、EGR-1の結合能増加と関連している。
CSE誘導MMP-2 mRNAと蛋白発現・活性は有意にEGR-1 small interfering RNA(siRNA)やEgr-1-null-/-マウス線維芽細胞で抑制される。
さらにpromoterのEGR1-結合部位である、membrane type 1 matrix metalloproteinase (MT1-MMP)の誘導の観察を行ったところ、MT1-MMP発現とMMP-2活動性は同時的にEGR1 siRNAで抑制される。
mitogen活性化蛋白kinaseの急激な活性化がCSE処理線維芽細胞に見られる。
ERK1/2 MAPKの化学的阻害は、p38やJNKの阻害では生じないが、線維芽細胞のCSE誘導EGR-1蛋白発現やMMP-2活動性減少を生じる。
by internalmedicine | 2007-03-20 11:23 | 呼吸器系