ホメオパシーは科学的でない

ホメオパシーは科学的でない
Nature 446, 352-353 (22 March 2007) |

英国のいくつかの大学が科学的エビデンスがないにもかかわらず、代替医療として、BSc((学士)の学位を与えはじめたことに対して強い批判を行っている。ホメオパシーやホメオパシー施術者が不相応な科学的な信頼を結果的に得てしまうことを危惧し、そのような評価を除外する運動をしている。

辛辣な批判をDavid Colquhounは行っている。
大学が堕落するなら、真実でないことを教えるなら、金銭を使わせるなら、人々が単なるプラセボ作用を最大限にするため金銭を消費するなら、それは不誠実以外何者でもないNature Podcast)



多くの科学者やEBM推進者は、ホメオパシー科学の提示法は不公正であり、治療が働くメカニズムは不明であり、結論ありきにエビデンスを議論しているに過ぎない。10年間に行われたシステミックレビューのうち一つのみがホメオパシー優位のエビデンスと認められているもので、有意差ぎりぎりであり、データ自体の弱い者であった。いくつかのレビュー者は効果を見いだせず、効果の有るとされるデータ(L. Linde et al. Lancet 350, 834–843; 1997)は方法論を多くから批評されたものだけであった。その後同じLancetで、ホメオパシーはプラセボ同等であるというレビュー出版されている(The Lancet 2005; 366:726-732)。
また、出版バイアスが極端であるという指摘もなされている(BMC Complement Altern Med. 2005; 5: 12

英国以外では、ホメオパシーは一小部門単位として大学で教えられ、科学としての分類ではない、ところが代替医学のBSc数は増加、新設大学に参入し、学術トレーニングでなく、職業的訓練を強化する団体によって運営されている。代替医学は科学に分類されるほど驚くべきテーマではなく、科学的なトレーニングを受けた医師によって治療されていると患者が信じ込むため、保管治療は有害であるとColquhounとGoldacreは述べた。

結局、この批評を受け、大学の修学コースを変更する大学がではじめているとのこと



日本でも代替医療・医学を学問として確立しようとしている動きがあると思うが、大学の教育者・研究者がその科学的吟味を忘れ、非科学的主張の権威づけに大学という看板を利用することにならないことを危惧する。

健康詐欺に対する国際協議会(http://www.ncahf.org/)は公的な機関ではないが、鍼、カイロプラクティス、ハーブ治療などのtask forceをはじめている。



昨日、世にも奇妙な物語というオムニバス方式の単発ドラマを見ていたが、その時、ホメオパシーをまるで確立した医学かのように放映していた。Natureでふれていたなぁ・・・と思い出して少々紹介してみた。

by internalmedicine | 2007-03-27 12:13 | Quack  

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